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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第41章 憎悪の時間


私の今回の一番の後遺症は憎しみを知ってしまったことだった。先生からもこれで再び触手が生えることはないだろうと言っていたが…

この黒い感情の行き場を失っていた。


重くて、息苦しくて、腹から煮えたぎるような怒りが暴れまわっている



気持ち悪い。まるで黒い蛭を心臓で飼っている気分だった


今日が終業式でよかった。

だって、こんな状態で武器なんて持ったら誰かを傷つける自信しかない

病院の外のベンチで胸元を抑える

『(大丈夫。好物の甘い物でも食べれば気がまぎれる筈…)』

ー甘い物?胸やけしそうで無理ー

『(落ち着け、深呼吸して…森を想像するの…誰もいない…綺麗な景色…)』

ーむかつく…むかつく…ー







「ひつじちゃん何してんの?」

上から赤羽さんの声が降ってきた。一人で出て行ったから心配して見に来たそうだ

『何って…ただ座ってるだけです…』


「あー…もしかして未だ傷心中?」

『え』

「いや、渚君に告られたって聞いてたからあんな光景見たら、ね」


…嫌だ…それすらも思い出さないようにしてたのに…頭が痛い…

憎い…


何もかも…


『別に。
あの人のことなんか知ったこっちゃないです』

「冷たいねー、渚君が聞いたら泣くかもね」

『いいじゃないですか。あの人のせいで私は現在傷心中なんですから。
私帰ります。ついてこないで下さい』


「じゃあさ」

そう言って鞄を手に持とうとしたときだった。顎をむにゅと掴まれ、強引にこっちを向けさせられた


「いっそ俺にすれば?」


『あ?』

何言ってんだこいつ

『や、やめて!今は…』

「渚君だってさ、第一好きな癖にキスすらもできないなんて…ちょっと待たせすぎじゃない?ひつじちゃん自身ぶっちゃけどう思ってるの?」


嫌だ。あの話を掘り返されるのも…渚さんを悪く言われるのも…





「…カルマ君」

もう殴ってでも離れようと思ったその時、後ろから声が聞こえた。静かで、それでいて激怒しているような…

「何してるの」

「別に。渚君のおこぼれを貰おうとしてるだけ」

それはここの居場所をもっと悪くさせるだけに過ぎなかった。
「そう、僕には脅してるように見えるけど。ついでに不評も散々言ってくれて」

「ありゃ、聞かれてたか。けど事実でしょ」
渚さんの眼は真っ黒で何も映さない
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