• テキストサイズ

私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第41章 憎悪の時間


殺せんせーから、遊夢ちゃんの方は目覚めたと通達を受けた。廃人状態になる可能性もほぼ0に近いらしい

それを聞いて僕は急いで保健室に向かった。

「(遊夢ちゃん……遊夢ちゃん…)」


正直あの時怖かった。あの触手を見てしまうと、またあの怖い遊夢ちゃんに戻ってしまうんじゃないかって、僕がいない世界の遊夢ちゃんになってしまうんじゃないかって…


けど、僕らでもわかった。あの間、彼女は茅野を助ける為にずっと触手と戦っていた。結果的に彼女にできることはなかったのかもしれないけど、


彼女の意志はここにあった



ああ、早く会って抱き締めてあげたい…
彼女が落ち着くって言ってくれた僕の匂いで安心させてあげたい…



「遊夢ちゃ…」



けど、僕は部屋に入ることができなかった。




カルマ君がいたからだ




瞬時に察知して息を殺す。



遊夢ちゃん…泣いてる…




こっそり扉の隙間から覗くと二人が抱き合っていた。







まただ、心臓が痛い。今度はズキズキと早く、強い感覚で。





どうして、

ねえ、どうして。

僕じゃ駄目なの?



確かにあんなことをしてしまった自分にも責任はあると思ってる。でも……




ああ嫌だ。取られたくない。



ずっと僕だけの遊夢ちゃんであってほしいのに…
/ 409ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp