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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第40章 復讐の時間


「あり得ない…メンテもせずに触手を生やしていたら地獄の苦しみは続いていた筈だ。表情に出さずに耐え切れるなんてまず不可能だ」

「しかも雪村あぐりの妹って…」
「俺らの前の担任じゃねーか」


教室に戻ってみんながどよめく中、私は後悔の念に襲われていた。分かっていた。彼女が雪村と名乗った時から…


先生が殺したのはあぐり先生。


一時教師の活動を休止してからその存在は音沙汰もなかったが、まさかもう亡くなっていたとは…



『ちゃんと私の声を聴いてくれたのは…彼女だけだったのに…』






―――

「ちょっと君」

2年生、私とあぐり先生はただの生徒と臨時教師という関係だった。授業も担当がE組だから殆ど受けたことがない。そんな彼女から話しかけられた

「校内で帽子を被るのは規則違反でしょ?外しなさい」

私の髪はもう既になかった。色々なことをもう投げやりになっていた時期だった

『…先生、確か臨時教師でしたよね?一応これ理事長から正式な許可をもらってます。何なら見ますか?』

ずるりとニット帽を外すと彼女は顔を歪ませた。背後でクスクスと笑う女子の声が聞こえる。

ああ、最悪な日だ。訳も分からない先生に校則違反だと注意され、こんな廊下で公開処刑される羽目になって…

全部、先生たちが統制できていればこんなことにはならなかったのに…





「ちょっとこっち来て」

そういってその人は強引に私の手を引っ張った。本当に何なんだこの先生は…
そう言って連れてこられたのはあの旧校舎の前だった



「ごめんなさい、気が付かなくて…あんな晒し者の真似事。

教師の力不足が、貴方で犠牲になることなんてなかったのに…」

『何で謝るんですか、先生は知らなかっただけですし別に怒ってませんよ』

「いいえ、教師は連帯責任だから。もし犯人がいても、教師の職の評価を落としてることに等しい。私だって許せないわ。

それに、貴方怒ってないなんて嘘でしょ?」

『!』

「勘だけはいいのよ、私。周りには上手く隠せてるみたいだけど、体から漏れてるわよ。世の中に対する憎悪とかね。
あの教室で何が起きてたの?」

何の安心要素があったのか。自分でも何故その人にこんなことをしたのかわからない。もしかしたらもう何もかもどうでもよかったのかもしれない。
ただ、あぐり先生は黙って私の話を聞いてくれた
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