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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第40章 復讐の時間


「おはよ、早稲田さん。なんか浮かない顔してるね」

『な、中村さん…そ、そんなに顔に出てました?』

「何?好きな人でもできた?」

『いや、ちょっと寝不足で不調気味で…』

「まあ、今度の演劇発表会のことでも考えながら元気出しなよ」


本当は一瞬学校に行きたくないと今の私にしては珍しいことを思ってしまった。あの話を聞いた後、茅野さんにどんな顔して会えばいいのか分からなかった。かといって先生にこのことが言える筈もなく、その夜一日中悩んでいた。

どうして私に任せようと思ったのか、なんでそんな苦い過去を私に話したのか…


でも、実際来てみれば、彼女の方はいたって普通に振舞っていた。勿論悟られないためではあるが。普通に登校し、友達に挨拶をする。それがずっと彼女に続けばいいのに…
ひとまず私に打ち明けたくらいでへこむような弱い人ではないらしい。問題は何も解決してないけど、どこかホッとした自分はいた。ひとまず彼女の様子を監視しよう。どこかで爆発しないように…



「さん…早稲田さん!」

『えッ…何!?』

「さっきから呼んでるのに反応しないんだもん。少し変だったよ?」

『す、すみません神崎さん』

いけない。これは私しか知らないことだ…みんなには悟られないようにしないと…

『で、どこまで話ましたっけ?』

「あ、うん。今度の演劇発表会での主役やってみない?って…最初はカエデちゃんを誘ったんだけど、裏方やりたいって棄権しちゃって」


受験で多忙期の三年生にこの時期に演劇なんてさせる学校は早々いないだろう。短期間での記憶力を育てる、なんて名目あるけど絶対面白がってつだろ、理事長。浅野生徒会長も「どうせ君たちなら何とかするんだろ」って匙を投げている


『うーん…役によりますかね…それより脚本家は―』


「主役やりたi!!」

「やれるわけねえだろ!!!」
「この国家機密が!!」
「ターゲットがそもそも出しゃばってくんなよ!!!!」


『あー…それよりももっと意欲がある怪物がいるみたいなので私も主役は遠慮しときますかね…(汗』
「…(汗」

ここでも利己的主義の我らが先生。本当に…

「仕方ないわね……私が書いてあげるわよ。殺せんせーの脚本」
「ほ、本当ですか狭間さん!」
「まあ、何とかなるでしょ」

一体どうなることやら…
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