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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第39章 自我の芽生え、そして…


「早稲田さん、帰ろう」
放課後、いつものように誰かしら声を掛けられるが…今日は違った

「ごめーん、今日ユーミンは私とプリン食べに行く約束してるから!」

肩から茅野さんの声が聞こえた

「そうなの?」
『…ええ、すいません』

もちろんそんな約束事をした覚えはない。理由はわからないが彼女なりの考えがあってのことだろう。特に不満もなく彼女についていくことにした




「ユーミンは焼きプリン派なんだぁ」
『柔らかいものよりも硬めのほうが好きかもしれません』
「ほう、見る目あるね」


『それよりも、何か私に話したくてアポなしで予定立てたんでしょう?』

話始めると彼女の頬が僅かに動いたのが分かった。やっぱり何か人前では言えないことが…


「あはは…ちょっとね。

実はさ、近々また殺せんせーを暗殺する計画を実行しようと思ってるんだよね」

『ははあ、なるほど』

期末テストで目標を達成した私たちは先生から最大のともいえる弱点を教えてもらった。それを聞いたからには実行しない生徒はいないだろう

『今度は何のお菓子を作ろうとしてるんですか?』

「もー、スイーツ暗殺はもう懲りたって!」

『冗談ですよ。それで、詳しい内容は?』

「それは…」

さらなる情報提供を求めたが、彼女は言いづらそうに眼を逸らした

「今は、言えない。それだけ失敗したくないって思ってるから。

けどこれだけは安心して。特に難しい仕事はさせないから。ユーミンには主にサポートに入ってほしいんだ。
そういう意味でも一番信頼してるから頼みたいんだけど…」


何かの違和感を覚えるその苦笑い。私はそのまま聞いた

『協力者は二人だけってことですか?』

「…」

『それならなおさら変ですよ、茅野さん。
先生が言った弱点は力が弱いこと。つまり最低でも先生の体重を上回るもので押さえつける必要があります。

成功させたいなら…どうして少人数にこだわるんですか…?』


すると参ったとでもいうような顔をして話出した。

それはとんでもない事実であることに私は数秒たっても理解することは不可能だった

「私さ、本当はカエデじゃないんだよね」

『……え』
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