第38章 目まぐるしき文化祭の時間
『で、でもそういうのって生徒会の許可が必要なんじゃ…」
「大丈夫、大丈夫。そういう面倒なことは全部私達に任せて!ね?」
「世界一のファン。それがプロデューサーである」
どうやら竹林さんもノリノリだ。君達…アイドル育成ゲームやり尽くしたな…?
『う、ううう。そんなこと言ったって…私があんなことしたら黒歴史ですよ…///』
あくまで私は早稲田遊夢なんだから…ギャップにもほどがあるし絶対ネットとかL〇NEとかで拡散されそう…自惚れなのかもしれないけど…
「堂々としてればいいんだよ。早稲田さんだって元々Mineな訳だしさ。殺せんせーも言ってたよ。この時間が少しの気休めになったらいいって
みんなにも話してみんな総出で応援に行くからさ!!」
『……はあ、何か問題あったらプロデューサーに責任負わせてもらいますからね』
こうして渋々頷いたのだった
そして当日…
『おお、なんか様になってますね…』
「どんぐり食堂」と題された校舎の看板を見て感嘆を上げる。立地は悪く客足もまだ少ないが味は本物と先生のお墨付きだ
「早稲田さーん!ようやく衣装届いたよ~」
ギリギリだった~と笑いながら通販の段ボールを持ってきた不破さん
「はい、これ後で試着してみて。キツイとかあったら早めに言ってね!原さんに仕立て直してもらうから!」
『ありがとうございます…
…にしてもよく呑みましたね、あの生徒会長』
「そーそー。私達も結構ダメ元の交渉だった筈なんだけど…
あの人も意外と乗り気でさー、それが一番びっくりしたよ」
浅野生徒会長……私に一体何を求めてるんですか…?
あの冷徹な横顔を細い目で見た
そうこうしている内に開園時間
「あ、修学旅行の高校生!」
杉野さんの声に振り向くといかにもって感じの学ラン不良の集団が来た。修学旅行に高校生なんていたっけな…?
「私達を誘拐した張本人よ」
神崎さんがそっと耳打ちしてくれた。ああ、そういえばそんな話したっけ…記念すべき初めてのお客さんがこの人達とは最悪だな、と苦笑いをした。
「何しに来たんだよ」
「例えば?飯がまずいって叫んでみたり?」
『典型的な当たり屋だ…(汗』
まあ、ここは学校の敷地内だし、先生もいるし問題を起こしてもそこまで問題ないだろう