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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第37章 伸びる影の時間


「家庭…ですか」

「はい、教養のある立派な嫁になって欲しいんです。
そういう事で、このクラスから一刻も早く離脱したいんです。成績を見たところ復帰の条件は満たしていると思いますが…どういう方針ですか?」

「…………彼女の希望でこのクラスで授業を受けています。教育の方針はどのクラスも均一なので進度には問題ありません。卒業間近に移してもらえると理事長とも約束しているので」

「そうですか。なら大丈夫ですな

ごめんな、遊夢。俺が独り身なばかりに満足な生活も進路もできないで」
父は気持ち悪い手を私の頭に乗せる

「けど安心しろ。父さん今度仕事で昇格が決まったんだ」

『!』



「上司との関係が上手くいってな、給料も上げてもらえるんだ。少しは楽になるだろう」


これは、


脅しだ。
誰の稼ぎで生かして貰ってるんだが座右の銘だから


こうやって少しずつ逃げ道を塞いでいく。私のお母さんにも同じことをして…



「まあ私が言いたい事はそれ以外ないので。そろそろお暇させて頂きますね。仕事が残っているので」



そう言って私達を残して1人帰って行った










「早稲田さん…」

『どうしてって言いたいんですか?



いいんです。本当に』

「…」

『あの人と話し合うという考えが、最初から甘かったんです』

「しかし、」

『けど諦めた訳ではありません。私さえ我慢すればいいんですから。


世間が独り立ちを許す時まで、私が我慢すれば何の問題もないんです』




そうだ。高校は無理だったけど大学なら家庭から離れても文句はないはずだ。そのためにやれることは全て掴む。それまで、悲しみと痛みを麻痺させよう。怒りと憎しみは大切にしまっておこう。皆んなにはまだ笑っていて欲しいから…
なに、今までもずっとやってきたことじゃないか。


ああ、終わりを約束されている未来ってなんて気が軽くなるんだろう













それまで、


サヨナラ


私のココロ
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