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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第37章 伸びる影の時間



「どなたか知りませんけど、嫌がってるじゃないですか。これ以上この子に付きまとうとセクハラで警察に通報しますよ?」






「……チッ、
メスの分際で…」
上司は聞こえるか聞こえないかくらいの声で悪態をついて去って行った

「…遊夢ちゃん」

青い瞳が私を捕らえた。駄目だと本能が過剰に反応している。また、あの時みたいに何も言わずに駆けだそうとしたのに…
「待って」

逃げられなかった



「……何も怪我してなくて、良かった」

優しい声が背中をポンと叩いてくれた。また、感情がどうしようもなく高ぶってしまい重力に逆らえなくなってしまった


「!」

膝から崩れ落ちた私を渚さんはしっかり支えてくれた


「泣きそう?」

『泣きま、せんよ』

「そっか」
それが、お母さんだから。私の死んでいったお母さんだったから





ただ、彼の腕の中はどうしようもなく暖かかった。現実を忘れてしまいそうなくらい















『ッ…おかえりなさい』
「……はぁ」
いつも通り、自分の疲れにしか目がいかない父親。大丈夫、そのままでいいんだ。いつも通り、いつも通りに過ごしていれば……


「おい。


調査票」

『え…』

「え、じゃねえよ。今度面談があるんだろ?子供の志望も知らないで出席するなんて面目丸つぶれだ。早く出せ」

手が…足が…震える…

『……す、すみません…
先生に提出しているので…今は……出せません』

「なら何だ?自分の口でいえるのか。E組の件はどうなった。いつまであの場所にくすぶっているつもりだ。今のままじゃ追い出されることは分かっているんだろうな?」

『それは……』


「あのなぁ、俺も疲れてんだ。これ以上無駄な会話はさせるな。

そのままじゃ、お前まで捨てられるぞ」

『捨て……』

「そうだ。お前はあの母親譲りでそこそこ顔がいい。知性さえあれば良いハコに入ることは難しくない

女の存在意義なんて餓鬼を産む以外ないからな」

『…!』

「だがどうだ?俺が稼いだ金でトップの学校に入学させたのに今や底辺まで落ちぶれこの有様だぁ!お前俺を見下してんのか!?あいつみたいによ!あ!?」

前髪を捕まれ、首がもげそうな程揺さぶられる。私のこと、お母さんの事をこいつはバカにした……罵詈雑言をかけられてるのに怒りは確かに体を昇ってきていた
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