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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第37章 伸びる影の時間


「都合のいい…」

『あ、本人が直接言ってるわけじゃありません。そういう事なんだろうなって私が解釈してるだけです。
親の言う嫁のあるべき姿は…嫌と言うほど見てきましたから』

「貴方の言う『親』というのは……

父親の事ですか」






『……はい』


先生は知っている、同じ屋根の下にいるのは、もう父親しかいないことを。先生として情報を知っているのは当然だが不思議なことに私の母親が自殺した事件も知っていた。地域メディアで取り上げられたことでもあったので入手できなくはないのだが


こういう”大人”な話ができるのは先生しかいない


「次の三者面談では彼も来ることになっていますね」
『はい、面倒だとは言ってましたが、建前は気にしてるようでしたから』
父親は世間では妻に先立たれた不憫な旦那を演じている。私が入院中に一切関与しなかったのが仇になったのか今回は渋々行くらしい


「一つ提案なのですが、
君のやりたい事が決まっているなら、そのまま貫いてはどうですか?」

『はい?』

「面談当日までその用紙は親に見せなくても結構です。先生と”三人で”話し合いましょう。
彼が頷くまで何時間でも」

私の意志がねじ伏せられる、二人という状況を避けようとした。これなら、今日殴られることは多分ない

『それでお願いします』











帰宅中、嫌な人物に会った

「お、早稲田んとこの娘さんじゃないか」

『……どうも』
父親の上司だ。外回りだった為偶然出くわしてしまった


「今帰りかい?」

『はい』

「道理で制服姿だと思ったよ。いやぁ、ブレザー着てても可愛いね遊夢チャンは」

説明するまでもない、こういうオヤジ世代の人である。この職員にしてこの上司あり、だ

『あの……この後買い出しに行くので…』

「買い物?偉いねぇ。奥さんが亡くなってからは本当にママみたいになったね」

嫌だ。その名前で呼ばれたくない。まるで動物みたいに……
離れたい…早く、早く……

「そうそう、今俺丁度今日の分は終わったところなんだよね。また飲みに行っていいかな?君のお父さんにも連絡入れておくからさ。




   ね?」


『い…いャ…』

















『!?』


掴まれた手首が誰かによって引き剥がされた。渚さんだ
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