第36章 古傷の時間
それ以上舐め続けると起爆させると言われたので先生は大人しく正座。当たり前だ
と、
「政府の見解に耐えかねない」
低い声と同時に死神の頬に拳がめり込んだ
「17人の命は地球より重い。それでもお前が彼らごと殺すつもりなら俺が止める」
「「「「烏丸先生!!!」」」」
よろめく死神の後ろに佇んでいたのは我らが教官だった。
一瞬涙が出そうだった。気づいていないように思いつつも本当に助けが必要な時に駆けつけてくれる。
イリーナ先生も、彼のそういう部分に惹かれたんだと思う
「言っておくがイリーナ、プロってのはそんな気楽なもんじゃないぞ」
そう言って逃げた死神を追った
「……首輪のリモコンは起爆命令と仮解除だけ。簡単な構造だから乱暴に外しても起爆しないし奴にもバレない」
その隙に一人の首輪を外し、E組随一のエンジニアが目で解析。
烏丸先生はチャンスを作ってくれた。これを逃すわけにはいかない…!!
監視カメラには…正確に見えない場所が存在する。死角と照明の明度による兼ね合いだ。死神は、”この部屋”にはお金をかけたセキュリティを設置していない。一瞬で見抜いた
後は簡単。保護色を使って壁に成りすました
「で、殺せんせーは?」
「この先生は普通に保護色になれるから…」
「って事は今素っ裸なんだよね~?」
『爬虫類みたい……』
「うう…もうお嫁に行けない……」
するとズズンと大きな揺れが起きた。烏丸先生の身に何かあったのかもしれない。しかし、この場にいては確認することもできない。もうここには来ないと判断したのか、先生が目を伸ばして様子を伝えた
「ええっとぉ、死神がナイフを…違う!ワイヤーだ!烏丸先生がそれを、おお凄い!!避けて返し、あ、駄目だ。ナイフを蹴りに…おお!
なんか、なんか凄い戦いだーっ!!!」
「何言ってるかさっぱりだよ!」
「分かるように説明しろ!!(汗」
伝える・・・というより実況?
先生の説明のせいで余計に心配になったけど烏丸先生は無事に帰ってきてくれた。私達も無事に牢屋を脱出。
『あ、イリーナ先生』
「テメェビッチ!!」
「何逃げようとしてんだコラッ!!」
「ひいいっ!!」
大人げなく事の終わりに逃げようとするイリーナ先生。羽交い締めにされてみんなの前に連れてこられる