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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第36章 古傷の時間


『…貴方は、私達生徒を逆手に”殺せんせー”を殺めようとしているんですか…?』

「まあ、そうかな。殺し屋だしね、僕。あの女がいい駒になったよ」

『!…イリーナ先生は、貴方の手中なんですか?』

「そうさ。彼女も殺し屋だからね。仕事上手を組むのはおかしい事ではないだろう?
大丈夫、君たちが抵抗しないで無事計画が上手く行けば怪我させないから」

にこりと上がった口角が私には不気味に感じた

「どんな方法で殺せんせーをやろうとしてるのか知らないけど、そう計画通りに行くのかね」
「たとえどんなに情報不足でも結果を出す。それが世界一の殺し屋だよ」
赤羽さんとの会話を最後に死神は去って行った





「ロヴロさんに聞いたんだ」
傍にいた渚さんが話し出した
「死神って呼ばれる殺し屋が、あの人が聞く限り最高の殺し屋だったんだって…僕、あの人の猫だましを受けた。速さ、威力、タイミング、全てにおいて桁違いだった」

”死神”。そのロヴロさんが言った殺し屋が同一人物なら、厄介な人物に目を付けられたものだ。

と、同時に少しの違和感を感じた。
世界一の殺し屋が、今になって作戦を…?情報収集にしても余りにも遅すぎる






「あのタコが言った。生徒に越せない壁があったのなら、その時は先生の出番です…と」






堀部さんの呟きと共に銃声が鳴り響いた。音の響きから恐らく上の階からだ。


と、ズルリと私達の部屋に何かが落ちて来た


「先生!」

「皆さん、怪我はないですか?」

「殺せんせーまで捕まっちまうなんて…」

先生がこの場にいることに一旦安心するがシチュエーションとしては最悪だ。先生までもが罠にはまってしまった。後は殺すだけな訳で…


「ここまで上手くいくとは思わなかったね…」

仮にこのまま暗殺をするならこの場にいる全員に危害が及ぶ可能性は無きにしも非ず。なんとかしなきゃ…

「無駄だよ。この格子も対先生用物質を使っているからね。君に壊すことは不可能」

しかし、先生は喉奥でくつくつと笑っていた。どうやら何か手立てがあるらしい


「ヌルフフフ……初めて見せますよ。私のとっておきの体内器官をッ!!」





そして突然檻をキャンディーのようにペロペロと舐め始めた


「「「(汚ぇ…)」」」
「この調子だと半日あれば溶かせます」
「「「「遅せぇよ!!」」」」
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