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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第35章 新たな背中の時間


園長さんが元気になった為私達はもうここに長くはいられない。またあの校舎に戻ろうと支度をする

「色々、お世話になりました」

「いえいえ、気が向いたらいつでも来て下さい」


子供達も名残惜しそうに見つめている
「もう行っちゃうの、お姉ちゃん?」
「ここの先生になってよー」
『ごめんね、私もやりたいことがあるから』
「また会える?」
『私の歌を覚えてくれたら、きっとね』


「なあ」

『叶君?』

「俺が夢を叶えたら……お前に俺の曲歌わせてやるよ!」

最後までちょっと偉そうだったけど、私の答えはずっと変わってない

『やーよ。人のこと馬鹿にする人とのコラボなんてごめんだわ』

「なっ…!?」




『けど、




君の体と心が大人に育って、それでもまだ夢を追っていると言うのなら…
考えてあげてもいいけどね』













「……」

『渚さん?どうかしました?』

「見ない顔するなぁ、って思って。遊夢ちゃんって子供には甘いよね」

『うーん………お恥ずかしい』

「僕等にも、見せてくれていいのに…」

『えっ』
















そして迎えた中間テストは、殆ど惨敗だったらしい。ただ2人を除いて…

『ありがとうございます。お陰で怒号は回避できそうです』

「あははは、そこまで言うの?ひつじちゃんの親」

総合順位 19位の成績表を見ながら赤羽さんと渡り歩く。前回よりも下がってしまったがなんとか食い下がることができた。それ以下は、本当に手だけでは済まないだろう。夏休みを学習時間に費やしたのと…彼の尽力のお陰だ

『結構ギリギリでしたので』

「ま、あの勉強会が為になったなら良かったけど」

『あ、あれ…』

視線の先に止まったのは五英傑に絡まれている渚さん達だった。見たところ前回よりも成績が下がっていることにちょっかいをかけているのだろう。迷わず足を進めた


「ふーん、じゃあお前達は俺達にデカい口出来ないって訳だ」

「す、すげぇ」
「えっ、早稲田さんも?」
赤羽さんが堂々と成績表を見せる。邪魔が入ったと生徒会長は顔をしかめる

『他人の成績が落ちたくらいでわざわざ足を運んでくださるなんて、生徒会って余程暇なんですね』

「チッ、行くぞ」

トドメを刺すと五英傑は渋々と自分の場所に戻って行った
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