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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第34章 いわし雲の体育祭の時間


「おやおやぁ?情報通りバイトをしている生徒がいるぞ」

鼻に付く喋り方。嫌でも思い出す

「ギシャシャシャ
いーけないんだー磯貝くーん」

五英傑が…何故ここに…


「これで2回目の重大校則違反。見損なったよ、磯貝君」

今まで静かに見ていた生徒会長が口を開いた。磯貝さんは黙ったままだ。私達の気配に気が付いたのか視線を向けられる(正確には私達じゃなくて”私”だけど)



「君までこの違反の協力者だったとはね、正直残念だ」

『あら、これが私の意志なので、どうぞ勝手に期待して勝手に失望してて下さい。相変わらず偉大なお父様にそっくりで』

「……褒め言葉として受け取っておくよ」

お互い笑みの表情を浮かべるがこの場の空気にピシッと亀裂が入り空気が重くなったのは確実だと思う。それこそ五英傑も冷汗をかくほどの。悪い皆、これが本校舎の私モードなのだ。

話は戻し、校則違反について。前科がある磯貝さんはこれ以上バイトをすることは許されない。だが家計の関係上バイトを続けなければどちらにしろ自主退学という形になってしまう。私達の仲間だ。そうなることは何としてでも避けたい皆だがここでもまたE組だのがうるさい。


「そうだな、僕もできればチャンスをあげたい。一つ条件を出そう。闘志を示せたらこの事はなかったことにしよう」
と王者の余裕で出してきた条件は可笑しなものだった




「今度の体育祭でクラス対抗の棒倒しで僕等A組に勝つこと。


もし負けたら、君は退学、早稲田遊夢、君は本校舎に移籍だ」



「「「「はあっ!?」」」」


思わず全員で突っ込んだ。

『この件に私を関わらせる必要ありませんよね?それにあれは私の元々の実力で結果的に落ちたんですから。余計なことしないで下さい』

「いいや、君の実力はあんな物じゃない。この僕が一番知っていいる筈だ」



((バチッ

このぴりぴり状態は店を出るまで続いた
















「悪いな、早稲田さん。変な事に巻き込んじゃって…」

翌日、例の体育祭の話をする際に磯貝さんがわざわざ謝った。

『磯貝さんが謝ることじゃないですよ』
「え、でも…」

『最初から、
”勝つ”つもりでいるんでしょ?

なら何の問題もないですよ』

私が笑うと磯貝さんは闘志を揺らがせた瞳でぐっと口角を上げた
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