第31章 残夏の疑惑の時間
おまけ
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どうも遊夢です。最近隣になった転校生について困ってます。
堀部糸成さん。彼は異様な程私にくっついてくるのです。
初めて座っている私の頭の上を陣取られた時は『距離バグかな?』と思いました。
最近なんか…
「…小さい」
胸を揉まれました
「安心しろ。このサイズなら定期的に刺激を与えれば何とかなる」
『あの出席簿の主犯はお前かああああああああっ!!!』
今日一番の怒号と平手打ちが飛びましたね。
あの後皆(主に女子)が叱ってくれましたが、多分私はもうお嫁には行けません…
「おい松村、金がない。吐くの我慢するからラーメン食わせろ」
「なっ!」
『あの放してくれません?(棒)』
「お前は付き添いだ」
『今日塾なんですけど』
「お前は真面目過ぎる。たまには寺坂を見習って馬鹿を学べ」
『もうお腹一杯です』
寺坂グループが子供かよと揶揄っても本人は気にしてない様子なので止める気は余りないようです。それで断れない私も私なんですけどね。
そうやって引きずられる様を赤羽さんと渚さんから冷たい目で見られるんです
ああ、主よこのかまちょを私はどうしたら…
「イトナ君クラスに馴染めてそうでよかったね」
「……うん。
でも、なんか遊夢ちゃんにずっとべったりだよね」
「?(何故に不機嫌!?)あー。確かにそうだね。私もちょっと気になったからユーミンに聞いてみたんだ。そしたら…」
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『私が一番分かりませんが』
「(だよねー(汗)」
『けど、まだ彼の眼差しからは恋愛的な意味は見えなくて…大丈夫だって私自身許してる部分もあるんですけど』
「というと?」
『堀部さんは今までずっと孤独だった。私はあの時の目は憎しみの中に喪失感とか悲しみが混じっていたのを分かっていたんです。そのつもりで彼に接近した。
彼はその心の隙間を一番に気が付いた私で埋めようとしてる気んだと思います。堀部さんにとっては私を家族みたいに見立ているんでしょうね』
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「だから暫くは当分離れないだろうし、仮にそう言う目で自分を見るようになったら付き合い方を見直すって」
「…そっか、そうだよね!会って数日であの距離感はないもんね」
「!?(何故にご機嫌!?(汗)」