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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第31章 残夏の疑惑の時間


「それが終わったらバーベキューでもしながら皆と一緒に先生の殺し方を学びましょう」

堀部さんの凄まじい殺気に対して、殺されるにも関わらず全く敵意を向けない先生。
自分が舐められているのかと思ったのか更にキツイ目で睨みつける


『そんなにどぎつい目で見なくても…
元からここの教室にやってくる者は基本的に舐められてるので…安心して下さい』

一つため息交じりに言うと赤羽さんが続ける

「そのタコしつこいよ~?一度担任になったら地獄の果てまで教えに来るから」
改めて聞くと身震いする話だ

「当然ですよ。目の前に生徒がいたら教えたくなるのが本能です」

「…!」

敵意はなくとも、相手を真正面から見つめてくれる。それが先生の性だ。
ようやく彼の腑に落ちた顔が見られた気がした
























しかし、こういう感動的なシーンに邪魔が入るのは物語の運命という物なのだろうか。

突然部屋は煙に包まれた

真っ白な世界の中。先生の声は確実に聞こえた

「これは…対先生物質のパウダー…!」

顔こそは見えないが、どこかで炭酸が弾けるようなしゅわしゅわとした音が聞こえる

『…先生!』

「イトナを泳がせたのも計算の内さ。殺せんせー」

『ッ…』


分かってた。堀部さんの存在から奴が再び来ることも…
シロの声と同時に弾丸が周りを飛ぶ

「にゅ、イトナ君の殺気に紛れて気づけませんでした…」
多少弱体化しても致命的な傷も負ってない為この攻防は特に大きな心配もない。が、何をしてくるのか分からないのが奴の恐れるところ


「さあイトナ、君の最期のご奉公だ」



((バシュッ






その音と共に、堀部さんとシロの音、気配は消えてしまった。煙が晴れると勿論二人はいない。

『どこへ…』

「大丈夫です。この時間で移動できる範囲なんぞ想定できます。先生のスピードがあれば容易い事です

位置情報を後に送ります。後から応援に来て下さい」

「はい!」














数分後、律さんに情報が届いた。場所は廃坑した神社。明らかに手筈が整えられている気がする。
そして、今回の堀部さんの役目は「人質」。本格的に奴は彼を見放しているんだ…唇を噛みならも私達はその場所へ向かった
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