第30章 それぞれの暗殺の時間
「歌声が好き」
ってさ。凄く簡潔な文だったんだけど、それだけでなんか救われた気がした。まあ、そんな文章だけでテンション上がってる私も私なんだけどwいやぁー言葉って凄いよね、それだけ影響力があるんだもん。あ、逆でも言えるからね。一通アンチコメとかも本人にとっては絶大な威力を持つことが殆どだし、発信するときはちゃんと確認しなよ?
話しは長くなったけど、結局何が言いたいのかって言うと、Mineの存在意義って「今日はちょっと頑張れた」ってしてくれたみんなと同じことをする為にいるんだよ。結論から言っちゃえば私に解決することは無理!だからその子に私が今一番できることって歌ったり笑わせたりすることじゃなないかという結果に至りました。
ちゃんちゃん。
ははは、結構長くなったけど、あの、ご清聴ありがとうございました。じゃあ、質問箱再開するかー>
「…!」
―――
その後、竹林さんはE組に戻ってきてくれた。やはり決め手は先生にあったようだ。
皆は戻った彼に責めもしないし、むやみに質問したりはしなかった。
ただ、「お帰り」と一言だけ言っていつもの学校生活に戻って行った
「………早稲田さん」
『はい?』
「ありがとう、配信の事とか…」
『何の話です?』
「?」
『私があそこでしたのは小学校の頃の知り合いの話ですよ。それに私はただ、一ファンの方を見過ごせなかっただけです、竹林さん』
「……早稲田さん…
君は見かけによらず嘘が下手だな?」
『…!
へへっ』
この人…ファンとして只者じゃないな。白旗を上げる代わりに舌を出して笑ってみた。自分でもこんな表情をするのは珍しかった
「(………可愛い)」
その時、こっちを見ていた渚さんが煩悩で固まっていたのはまた別の話