第30章 それぞれの暗殺の時間
当の彼は暗い部屋の中、手元の灯りだけを頼りに机に向かっていた。しかし、昨日の事が気がかりになり中々手が付けられずにいた。仕方なく、少しだけ携帯の画面を開いた。しかし開いたのは彼の目の方だった。SNS上が少し湧いていたからだ
aaa@
今日のMineの配信、何気に良いこと言ってね?
bbb@
激しく同意
同じこと思ってるやつ挙手
cc@
ノ
cca@
🙋🏻♀️
dd@
こんなの惚れてまうやろ!!!
ee@
一途過ぎるみんなの彼氏Mine→youtube.com/
ffa@
Mineがデビュー時の話するの珍しいね。そん時から応援してる民としては嬉しいでしかない
gg@
ハッ…ワタシのことか…!ˋ( ° ▽、° )
hh@
自意識過剰乙w
気になり、原本を探りリンクから飛ぶと、自分が知っているいつものMineが画面に向かって嬉々と話していた
<質問応えるのちょっと疲れたから一回世間話でもしていい?
「却下」?
鬼!酷い!wまあ、続けるけども
私さ、この間友達に悩みを打ち明けられたんだ。あ、私がMineって事理解してくれてる貴重な方なんだけど。
うん、なんかそっちも家庭の事情とかで色々悩んでたのよね
…違うwキ〇アの話してんじゃないのよ。「家庭の事情でね」じゃないの。勝手に盛り上がるなww
話は戻すけど、私から見ても全然大丈夫じゃなさそうだった、何かしてあげたかった。けど私一個人何ができるんだって話でさw
私だってまだまだ子供だしそりゃあ大人相手に物言うことなんて返り討ちに会うだけだから得策じゃないって分かってるんだけどさ、単純に悔しかったんだよね…
でね、私にできることって本当にないのかなってあの後考えたんだ。やっぱり一番最初に思いついたのが私がMineでいることなのかなって
私が配信デビューした時はさ、覚えてる人いるかな?本当に単純なギターの弾き語りだったし、無名のぽっと出だったから閲覧に来てくれる方も二桁行くか行かないかくらいだった。元々人気者になりたいって理由で始めた訳じゃないから余り気にすることない事だと思うけど、それなりに気にしてたんだよね。「こんな見てもらえない事やっても意味ないか」とか「そろそろ辞めよう」って思ってた時に、ある配信で一通のメッセージが届いてて…