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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第30章 それぞれの暗殺の時間


『浅野生徒会長は…私が変わったと思っているんですね』

微笑むと彼は豆鉄砲でも食らったような顔をした

『……私は昔から、仮初の姿になることが好きだったようですね』

「どういう意味だ」

『あの頃の私は、親から、教師から好かれるみんなの鏡のような存在だったんでしょうね。

当たり前ですよ。そうなるように陰で努力したんだもの』

「…!!」

『E組に堕ちてもそう。常に下にへりくだって、自分の意思に蓋をしようとした。


それができなければ…殺される。

私が生きている社会はそういう場所なんです。

結果的に私は落ちぶれた。いろんな人から失望したとかなんとか言われて』

「何故…」





『けどこれだけは言える、E組で生活していると、そんな私から少しづつ、何か変われている。


その通りです。私はもう、貴方の知る”粉雪の王女”なんかじゃない』



私ははっきり言って校舎へ戻って行く。彼が引き止めようとしたけれど私は足を止めなかった


















「竹林君は勤勉なのですが、容量が悪くE組に落ちたと聞きます。彼もそれ自体に悩んでいたので先生が時間をかけてやり方を教えたんです。勿論彼の成績は上がったのですが………不覚でした」

教室に戻ると少し肩を落とす先生。

「しかしなんでまた急に…」

『彼なりの期限が、既に迫って来たのでしょう』

「心配だから見に行こうよ」



こうしてみんなで竹林さんを引き留めようとした


放課後、見慣れた髪型と背中見ると駆け寄る


「竹林君!!」
竹林さんは私達の姿を見ると一瞬反応したがまたいつもの虚無の顔に戻った

そんな彼に赤羽さんが珍しく釘を刺した

「懸賞金百億、場合によっちゃもっと上乗せされるらしいよ。分前いらないんだ、竹林」
けど、これではきっと彼は動かない

彼は暫く黙った後、こう言った

「僕が今回で貰えるのはせいぜい10億だろう。そしてそれは僕の家族が働いて貰える金額だ」

『…!お医者さん…なんですか?』

「!?」
私の質問に視線が集まった

『現在年収が最も高い職業は医者な筈です。しかし、そこまで稼ぐ場所は聞いたことがありません…』
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