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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第30章 それぞれの暗殺の時間


始業式が終わった後、少し重い脚で旧校舎に戻ろうとした最中、誰か男子に声をかけられた


「早稲田」


振り向けば先ほどの生徒会長が立っていた

『浅野生徒会長』

「もはやさん付けもしなくなったか」

『生徒会長は生徒会長ですもの。それにもうクラスもランクも違う。

お久しぶりです』

乾いた笑顔で対応した。今までの私がそうしてきたように

『しかしまあ、よく覚えて…』

「僕の学年で特待生は君だけだったからな。それに、君ほど刃を凌ぎ合った相手はいない」

かつて、1年だった頃、何かに取りつかれた様に勉強していた私は余裕で…とはいかなかったが総合順位は良い方をキープしていた。その為か、彼、浅野さんとは何度か交流があった。赤羽さんに勝手にジェラシーを感じていた二人とも言っていい

『それで、E組の私に何か御用で?』

「……父からの伝言だ。
今回は彼であったが、君の繰り上げの操作は既にしてある。君との契約は蜘蛛の糸のようにもろい。すぐにでも動けるように手筈を整えておくことを薦める。と」

『…!そう。』
今はそう言うことしかできなかった。今理事長がどのように動いているか想像してもできない。危うい立場に私もいるものだ…

しかし理事長は気付いていない。蜘蛛の糸は見かけによらず糸は頑丈であることに

『一つ聞いていいですか?』
「何だ」
『今回の竹林さんの件、どんな手を使ったんですか?』
「父の私情の管轄だ」
『知っている限りでいいですから』

そう言うと、ため息を一つ付いてから答えた

「”親孝行をしないか”と、僕はそう聞いている」

『そうですか…やはり…』

彼もまた…親の縛りから抜け出せずにいる。私はやりたいことが見つかっているからまだいい。しかし彼が私と一緒であるかどうかはまた違う。一体どうしたら…


「理解できない」

『ん?』

「君の今までの実力、そして今回のテストの結果、僕は君の実力を十分に熟知している筈だ。何故君はそこまでしてE組にすがろうとする。


君は僕が知る早稲田遊夢ではない」

きっと私を睨みつけ、私を変わってしまったと定義する
変わった…か
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