第29章 抜けない熱はそのままにして
この中に…私の母の生まれ変わりが、いたりするのかな…?
「遊夢ちゃん?」
渚さんが不思議そうに私を見ていた
「いやー楽しかったな!」
「思いの他盛り上がったよね!」
会はあっという間にお開き。旧校舎を後にする
「遊夢ちゃん、帰ろ」
『はい』
『あ…』
下山中、少し足をひねった。もうずいぶんと動いていたからな…
「どうしたの?」
それに気づいた渚さんが駆け寄ってきてくれた
『足が…疲れてしまって…』
「大丈夫?おぶってあげるよ」
『え、いいですよ。重いですし』
「ほら、謙遜とかそういうのいいから」
初めて乗った渚さんの背中は小柄にしては凄く広く、男の子な感じがした。手を当てればトク、トクと心臓の音を僅かに感じる
『…///』
今更思い出したがこの人は私に告白したんだ。それで答えを流したらアプローチするって言い出して…
これはあえてしたこと?それとも素の善意?
「あのさ、」
『え、はい』
「また行こうね、夏祭り」
『はい……ん?またって…「次は
二人で…ね?」
『…ッ!!///』
まただ、またしてやられた…!!
駄目だ、駄目なのに…好きになったらいけないのに…
「あと、ずっと言えなかったけどさ…
その浴衣、殺せんせーのセンスの割には凄く似合ってる」
『…!』
「遊夢ちゃんがお祭り来るって聞いた時、ちょっとだけ…期待してた…///」、
横から見える、ほんのり赤い渚さんの顔
『……もうプリンにでもなって茅野さんに食べられてしまいたい…』
「なんでッ!?(汗」
―――
「おはよー渚君」
「あ、カルマ君。おはよう」
「……フーン告ったんだ」
「!?なんで…」
「見れば分かるよ。あのひつじちゃんの反応」
「あー…」
「心配しなくていいよ。暫くは誰にも言わないから」
「……どうしてそんな反応?カルマ君は好きだったんじゃないの?」
「だからそれは個人の判断に任せるって言ったじゃんw。
まあ強いて言うなら、
告られても全然余裕あるって感じかな」
「…!」
「じゃね」
「おはよーひつじちゃん」
『い!?お、おはようございます///』
「(あーこれあいつ余計な事言ったな)」