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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


外に出ると太陽はもうずっと高く昇っていた。チリチリする光が眩しい


「あ、早稲田さん!」
「無事復活か!」
「早稲田さんも薬取り返してくれたんだろ?ありがとう!」

私の姿に気が付いた海で遊んでいたみんなは駆け寄ってくれた。その中にはウイルスで苦しそうに倒れていたはずの人達の姿も

『皆さん…!元気になったんですね!』
「ああ!おかげ様でバッチリな」
前原さんがにかっと爽やかな笑顔を見せた



「ユーミン遅いよ~」

そんな名前で呼んでくれるのは今のところ一人しかいない
『茅野さん』

「私ずっと待ってたんだよ?ユーミンがいないと意味ないんだから!ほら、着替えるよ!」
『ああ…』
「?」

腕を引っ張られて起きて早々更衣室へずるずると向かう









「じゃーん!可愛いでしょ」

所謂双子コーデで海へ出てきた私達。例のお揃いで買った水着だ


首紐付きのチューブトップにはカラフルな造花が付いている。お尻が見えそうなくらい短いスカートは少し際どい。

そして弧をかいた滑らかなウエストラインはしっかりと見えている

「おお~、お揃いにしたんか」
「道理でカエデがなかなか海に入らないと思ったよー」
「うん、可愛い可愛い!」

「えへへ~」


みんなからはかなり好評。

が、傷は見えるし、ちょっとこの姿で外に出るのは恥ずかしい。しばらくパーカーで隠す







「どうしたん?」
元気になった中村さんが私に話しかける

『私も皆みたいに肌綺麗だったらなあ…』

少し考えた後ににまーっとした笑みを見せた中村さん

「いやー、意外と需要あるかもよ?

なーぎさっ!」

「中村さんどうしたの…ッ!?/////」

パーカーをはぎ取りドンと突き出したのは渚さんの前。恐る恐る前を見ると真っ赤になってキャパオーバーしている彼が

『あああああのすみません!!///
これこの日のために買ってみたんですけど…似合ってますか?』

「……ハイ…///」



あああああ!!恥ずかしい、恥ずかしい!!!
けど、似合ってるって言ってくれてちょっと嬉しい!!


慌てて顔を隠しこの場から離れた



「生きててよかった…」

「しっかりしろ渚!!」
「熱中症か!?」
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