第27章 バベルの塔の時間
「そーいうこったガキ共!! 本気で殺しに来て欲しかったら偉くなれ!!そん時ゃ、プロの殺し屋のフルコースを教えてやるよ」
と、かかかと笑った
遠く、小さくなるヘリを見つめながら私達はぼーっと佇んでいた
「………なんて言うか、あの3人には勝ったのに勝った気しないね」
「言い回しがずるいんだよ。まるで俺等があやされてたみたいな感じでまとめやがった」
赤羽さんも少し悔しそうに頭に手を当てた
『大人…ですねぇ』
「そういえば早稲田さん大丈夫?かなり殴られてたけど」
片岡さんに顔を覗き込まれた
『あー大丈夫大丈夫』
「本気で言ってる?何か心なしか顔が青いんだけど(汗」
『大丈夫、だいじょ(オエッ』
「「「「吐いた!!!(汗」」」」
「やっぱ大丈夫じゃないじゃん!!」
「横にしておけ!胃酸の逆流だ、うつ伏せだと嘔吐物で喉を詰まらせるぞ。腸が損傷している可能性が高い、このまま病室に連れて行くぞ!」
「はい!」
遠くなる意識の中、小さな窓から昇りかけた朝日に照らされ、安心して微笑んだ
『………ん』
再び目を覚ましたのはお昼頃。青い空が今は一段と綺麗に見えた
「あ、起きた♪」
『いでっ』
誰かにでこを攻撃された。どこのどいつだと思ったら赤羽さんだった
『…私どのくらい寝てました?』
ひとまず現状確認
「午前中一杯は。復活するの早かったねー」
『みんなは?』
「薬は上手く効いたよ。今はみんなで元気に遊んでる。烏丸先生は殺せんせーにダメージ与えるので手一杯だって」
『ははは…あれでは多分無理でしょうね』
良かった…みんな、助かったんだ…!
早く皆の顔が見たくてベッドから立ち去ろうとした
「…ねえ、ひつじちゃんってさー
渚君の事好き?」
『?好きですけど。急になんです?』
サラリと質問に答えると、まあそうかというような顔をして「特に深い意味はないよ」と言った。
そんなことよりも私は早く皆のところに行きたかった
「渚君、君とはいつか当たる日が来るかもしれないね。
けど今は面白そうだから放っておこ♪」