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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


動かない体で悔しそうに唇えを噛み締める鷹岡に


笑顔で立ちはだかる渚さん


「鷹岡『先生』、ありがとうございました」

そしてとどめを刺す。


バチッと無機質な音が戦いの終わりを告げた










「よっしゃああ!! ボス撃破!!!!」



倒れた鷹岡を前にみんな勝利を喜び合った



「遊夢ちゃん!」

終わりに気が付いた渚さんは一目散に私の元へ駆け寄った
「大丈夫…じゃないよね」
手首や足の拘束を解きながら申し訳なさそうに眉を下げる渚さん。

『ええ、でもまあ、これで殺される、傷つけられる危機も去ったんです』

そう言うと、くしゃりとした笑顔を見せた

「よかった…」

『……前々から気になってたんですけど…渚さんって私のこと嫌ってるんじゃないんですか?』




「そんなわけッ…」


もう一度私の顔を正面から見てくれた。お互い何とも言えない雰囲気が漂う


「そんなわけ…ないでしょ?」
渚さんは言い直し、慈しむような大きな手で私を撫でてくれた。

彼の中で何があったのか、分からないけど今までと同じ友達でいられることにようやくほっとできた気がする





「よくやってくれました、渚君」
落とされた階段をかけ、ようやく地上に戻って来た渚さんを先生は褒めてくれた
「今回ばかりはどうなるかと思いましたが…怪我も軽そうで安心しました」

「……うん。僕は平気だけど…でも」


心残りな割れた瓶たちに目を落として呟いた

「…どうしよう、皆への薬が……鷹岡先生から奪った分じゃ全然足りない」

「…とにかくここを脱出する。ヘリを呼んだから君等は待機だ。俺が毒使いの男を連れて来る」

ひとまず現状に対処しようと烏丸先生が指示を出した時、入り口の扉が開いた

「フン、テメー等に薬なんぞ必要無え」
「ガキ共、このまま生きて帰れるとでも思ったかい?」

『!?』

私達が今まで戦って来たプロの殺し屋達がここを訪れた。

「おまえ達の雇い主は既に倒した。戦う理由はもう無いはずだ。俺は充分回復したし、生徒達も充分強い。これ以上互いに被害が出る事はやめにしないか?」

不安になるみんなを庇い、冷静に交渉に持ち掛けてくれる烏丸先生
「ん、いーよ」
「あきらめ悪ィな!! こっちだって薬が無くてムカついて……え? いーよ?」
吉田さんが後追いで言葉の意味を理解する
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