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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


「落とした評価は結果で返す。受けた屈辱はそれ以上の屈辱で返す。特に潮田渚と白髪。俺の未来を汚したおまえは絶対に許さん!!」

「……!!」

ここまでくればもう指名されるのは分かっていた。未だに名前を覚えられてないのは意外だったけど

「背の低い生徒を要求したのは…渚を狙ってたのか」
「カンペキな逆恨みじゃねーか…!!」


「へー、つまり渚君とひつじちゃんはあんたの恨み晴らすために呼ばれたってわけ」
赤羽さんが鷹岡と私達の間に立った。
「その体格差で勝って本気で勝って嬉しいわけ? 俺ならもーちょっと楽しませてやれるけど?」

「イカレやがって。テメーが作ったルールの中で渚に負けただけだろーが。言っとくけどな。あの時テメーが勝ってよーが負けてよーが俺等テメーの事大ッ嫌いだからよ」
寺坂さんも荒れた息遣いで叫ぶ

「ジャリ共の意見なんて聞いてねェ! 俺の指先でジャリが半分減るって事忘れんな!!」

「………」
スイッチの件を思い出し下手に動けないと黙った寺坂さん。

『(ガキ臭…ミジンコはどっちよ)』
一番のストレスはこの言葉をあいつに言ってやれないこと


「チビ共、お前等2人で登ってこい。この上のヘリポートまで」
スイッチとアタッシュケースを軽く持ち上げる鷹岡。私は一瞬だけ渚さんの様子を伺った。暫く俯いた後、スッと足を動かし始めた


「渚、ダメ。行ったら」
「………」

茅野さんの言葉に一度立ち止まった。しかし、黙って先生の入っている袋を投げる

「……………………行きたくないけど……行くよ」


それが今の彼の本音だった


「あれだけ興奮してたら何するかわからない。話を合わせて冷静にさせて治療薬を壊さないよう渡してもらうよ」
「渚君、早稲田さん」
「二人共」

みんなが心配そうに見つめる中、意を決した彼は再び足をヘリポートへ向けた

『私も覚悟はしてます。

彼の意思も決まっているならやるべきことは一つです。私が死んでも必ず薬は奪ってきます』

そう告げて急いで渚さんの後を付いて行った





屋上のはしごを登り終えた先には、鷹岡とスイッチと、アタッシュケース、そして二本の実用ナイフしかない
すると、登って来たはしごが崩れ落ちた
『梯子が…』

「これでもうだれーも登って来れねェ。足元のナイフで俺のやりたい事はわかるな? この前のリターンマッチだ」
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