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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


「さぁ時間が無い。こいつは我々がエレベータで来ると思ってるはずだが、交渉期限まで動きが無ければ…さすがに警戒を強めるだろう。個々に役割を指示していく。まずは…」


先生が指示を出している途中こんな小さな会話を聞いた

「すごい熱だよ寺坂君。まさか…ウィルスんッ!」
「黙ってろ」
声の主は渚さんと寺坂さんだ
横目で様子を見れば寺坂さんは汗びっしょりだ

「俺ゃ、体力だけはあんだからよ。こんなモン放っときゃ治んだよ」
「そんな…無茶だよ」

「烏間の先公が麻痺ガス浴びちまったのは…俺が下手に前に出たからだ。それ以前に、俺のせいでクラスの奴等殺しかけたこともある」

そういえば、彼もシロの毒牙を浴びた。その時の自分への怒り情けなさを彼は知っている。責任感を持つ人に変わったものだ

「こんなところで脱落して、これ以上足引っ張れるわけねーだろ」
「寺坂君…」
仕方ない。

私はタオルを取り出してトイレとか適当な場所で濡らして絞って水を切る

『寺坂さん』
「あ?」

それを何回か回してからパスした。そのタオルはある程度冷えてる筈

『それ貸しときます。冷たいでしょう?濡らすと冷えるタオルなんですよ。百均で見つけました。氷よりは効果薄いですけど。

あと、冷やす時は首と脇を重点的に。一番神経通ってるんで』
自分の首を脇を指さして説明する。寺坂さんはぽかんとした顔で私に聞いた

「お前、なんでこんなもん…」
『顔を見られる立場上肌は大事にしないといけないの。


勘違いしないで下さい。私もシロを許せなかっただけです』


暫く濡れタオルを見つめた後、黙ってそれを首に巻き付けた
『おわるまではみんなにもばれない筈。少しはましになりましたか?』
「おうよ…」
ぶっきらぼうに返事する寺坂さん。それでいい。と思いながら再び前を向いた









最上階

入り口はカードキー式になっている。烏丸先生が警備員から奪ったものでロックを解除する

「階段ルートの侵入者を、本気で警戒していたわけではなかったのだろう」

この先に今回のボスが…

「これから侵入するが、察知されない為に『あの』歩き方を使え」
”あの”歩き方。訓練でみんなが習得した技
手と足を同時に動かし、靴や服の擦れの音を最大限に押える。ナンバと呼ばれる歩き方。かつて忍者も使っていたらしい。彼らからアサシンの事を学ぶ事は多い
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