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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


「ふうう〜……大分体が動くようになってきた」

烏間先生がビキビキと敵のボディーガードの首を絞めている

あの後、烏丸先生も通常モードを取り戻したようだ。
と言うか目の前で首を絞められて怖い…

「まだ力半分ってところだがな」

「力半分ですでに俺等の倍強ぇ…」
「あの人ひとりで入ったほうが良かったんじゃ」

みんなが引きながら同意していると携帯から元気な声が鳴った
『皆さん、最上階部屋のパソコンカメラに侵入しました。上の様子が観察できます』
律さんの連絡にみんなはスマホを覗き込む

『最上階エリアは一室貸し切り。確認する限り残るのは…この男ただひとりです』

表示された、モニター室で様子を観察する人物。逆光で顔は見えないが肩幅や体格からして男だろう。煙草の煙も確認できた





「こいつが…黒幕か」

「TVに映ってんのウィルス感染させられた皆じゃねーか。録られてたのか」

「楽しんでみてやがるのが伝わって来やがる、変態野郎が」

「寺坂君…」
怒りに震える寺坂さんを心配そうに見つめる渚さん
みんなの騒々しい雰囲気を切ったのは先生だった

「あのボスについて、わかってきた事があります」

『?』

「黒幕の彼は殺し屋ではない。殺し屋の使い方を間違えてます」

「殺し屋じゃ、ない」
『どういう意味です?』
先生の言葉を復唱するみんな。私は詳しい情報を求めた

「もともと先生を殺すために雇った殺し屋。ですが先生がこんな姿になり…警戒の必要が薄れたので、見張りと防衛に回したのでしょう。…でもそれは、殺し屋本来の仕事ではない。彼等の能力はフルに発揮すれば恐るべきものです」

そうか、元々プロの殺し屋とは自ら襲撃するもの。私達を仮に全滅させられたとしても先生がいなければあちらの目的は達成されないわけだから。今まで戦って来た相手も全て規制のある状態だったということだ

「…確かに、さっきの銃撃戦も戦術で勝ったけど。あいつ、狙った的は1センチたりとも外さなかった」
「カルマ君もそう。敵が廊下で見張るのではなく、日常で後ろから忍び寄られたら…あの握力に瞬殺されていたでしょう」
「…そりゃね」
千葉さんと赤羽さんも立て続けに言う





「烏間先生?」
「…いや」
何か考えている素振りを見せた烏丸先生だがここで話すべきでないと判断したのかはぐらかす
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