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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


「一丁あがりぬ」

男の手にあったのは…


『あ…!』

スイッチ。形はスモッグが持っていたものと一緒だ。だったら…

「長引きそうだったんで、『スモッグ』の麻酔ガス。試してみる事にしたぬ」

やっぱり…

烏丸先生ならともかく、赤羽さんがそれを食らったらまともでいられる筈ない

「き…汚ぇ。そんなモン隠し持っといてどこがフェアだよ」
「俺は一度も素手だけとは言ってないぬ」

手一つで軽々と赤羽さんの頭を持ち上げる男。
『ッ…彼を離して!』
このままじゃ、捻り潰されちゃう…!!

「拘る事に拘り過ぎない。それもまたこの仕事を長くやってく秘訣だぬ。至近距離のガス噴射。予期してなければ絶対に防げぬ」




そう男が話した時、私達は見えていた。赤羽さんがどこからか出してきたスイッチを起動させたところを



勿論男はガスを防げず膝から崩れ落ちた
「な…なんだと…」

「奇遇だね。2人とも同じ事考えてた」
口元にはハンカチ、吸わないように対策はしていたようだ


男はふらつきながら胸元に手を入れる。出して来たのは…実用ナイフ

「ぬぬぬうううう!!」
取り乱した様子で赤羽さんに襲い掛かるがその軌道は見えていた。ナイフを持った腕を挟み込んで背中に捻り上げる。体から何とも言えない音が鳴った

警察とかの取り押さえの技だけど…相手を考えないバージョンだな、あれは(汗

「ほら、寺坂早く早く。ガムテと人数使わないとこんな化けモン勝てないって」

「へーへー」

「テメーが素手で1体1の約束とか、『もっと』無いわな」
テキパキと拘束を固め、みんなは男の背中にのしかかった。子供とは言え大人数だと痛い
「ふぎゃッ」
再びミシミシと音を上げた

「縛る時気をつけろ。そいつの怪力は麻痺してても要注意だ。特に手のひらは掴まれるから絶対触れるな」

「「「は~い」」」


「ひつじちゃん助かった。迫真の演技だったよ」
『え、あ、はい(演技じゃないんだけど…)』
赤羽さんは突っ立っている私の肩をポンと軽く叩く。言ったらからかわれるから言わんでおこう…

がっちり固められ悔しそうに小さく声を上げる男
「毒使いのおっさんが未使用だったのくすねたんだよ。使い捨てなのがもったいない位便利だね」
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