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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


電気をつけないまま、私は自室の暗いベッドの上に沈み込み意識を手放した。

ドアからノックがしたのは大体それから40分後である


『……はい』

「早稲田さん、俺だ。起きてるか?」

いつもの安心する声。烏丸先生だ。そのままドア越しに会話をする

『今起きました』

「一旦ロビーに来てくれ、緊急事態だ。詳しくは下で説明する」

『え?』




















『なに…これ…』

少し気が進まない足を引っ張って戻ればそこには想像もしていなかった景色が広がっていた。


顔を真っ赤にして熱に苦しむ者、嘔吐や吐血に苛まれる者、クラスのほとんどの人がこの症状でダウンしていた。リラックスできるはずのホテルが緊迫した病室に変わっていた

『ッ…皆さん!』
誰が…こんなことを…

私は不安に襲われてすぐ近くに倒れている前原さんの元へ駆け寄った

『大丈夫ですか!どこか他に痛い部分は…』

「早稲田さんやめて!」

介抱をしようとした手を止めたのは原さんだった。クラスの中でも何人かまだ症状が出ていない人がいた

『……!原さんは大丈夫なんですか!?』

「ええ、今はね。けどこの症状の広がるスピードと範囲、ウイルスの可能性が高いわ。様子を見るのはできるだけ少人数の方がいい」

『でも…』

「早稲田さんはこの問題を解決する手立てを探して!それを信用して烏丸先生は貴方を呼びに行ったんだから」

『……ッわかりました…』


















動ける人は砂浜で様子を確認しに行った烏丸先生から経緯を聞いた

「……単刀直入に言おう。狙いはこいつだ」
ひょい、と持ち上げられたビニール袋。中に入ってるのは勿論さっきの先生

「苦しんでる人がかかったのは人工的に作り出した未知のウイルスらしい。感染力は低いが1度感染すれば……」

「そ、そんな……」

「……動ける生徒の中で最も背が低い男女に持ってこさせれば治療薬を渡す。機嫌を損ねればスイッチで爆破する、と。一時間以内に山頂のホテル……『普久間殿上ホテル』まで来い………という訳だ」

『誰なんですか…そんな理不尽な条件を提供してきたのは…』

みんなを苦しめられたその怒りが体から出そうになるのを押さえて聞くが。烏丸先生は黙ったままだった
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