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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第26章 真夏の大合戦の時間


海に残された私達に色々なものがのしかかって来た。


単純な身体的疲れ、全員でここまで作り上げたこれ以上ない達成感、そして、失敗へのショック、絶望、喪失感



いい感情も、負の感情も走馬灯のように次々によぎってくるから頭の中はカオスな状態だ


「みんな…ホテルに戻ろう」

ここにいてもどうにもならないというような顔をした磯貝さんがみんなを誘った。それに賛同したのか、納得いかない顔をしつつもうなづき、それぞれの足で部屋へ戻って行った

















ホテルのデッキに腰掛け、今回の計画の疲れを癒していた。

ほんの少しだけ、心に余裕ができたから…ふと渚さんの方を見た。彼もまたぼーっと遠くの方を見ていた。頑張ったけど結果としては失敗してしまったんだもん。そうだよね…

そう思った時、視線に気が付いたのか渚さんは私を見た。

一瞬だけ…何かに気付いたような目をして…
顔を逸らした


流石にもう…と思い、私はついに聞いた




『渚さん……どうして私を見て複雑そうな顔をするんですか?』

「…………何の話?」
この機に及んでもその反応をするので少し頭にきた
















『……私は手前で止めていたつもりなんですけど。こんな率直な言い方はしたくなかったので。

渚さん、何故私を避けるんですか?』

「…」

『何でもないなら気になるような反応を示さないで下さい』











「………遊夢ちゃんは、いつも冷たいよね。前からそうだった。こっちの気持ちも知らないで」










『…!!』

その言葉でどん底に突き落とされたような気がした

「ごめん、今疲れてることもあるけど…遊夢ちゃんと話したくないんだ。だから…」

だめだ…泣いちゃだめだ。




私がずっと何も言わないことにようやく気が付いたのかこちらに顔を向けた

『そ…そうですよね。こんな時にする話じゃなかった。空気読めなくて済みません』

一瞬だけ、渚さんが”しまった”と言う顔をしたが時すでに遅し。私はデッキから立ち去った






















そうだ…渚さんの言う通りこれは戒めだ。私が今までみんなにやって来たことが返って来たまでのこと。

だから泣いちゃだめだ。自分に泣く権利なんて微塵もない
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