第26章 真夏の大合戦の時間
渚side
僕等の班は海に潜って下見。殺せんせーを殺す場所に何か不備がないか確認する
「オッケー、こっちは問題ない!」
「同じく」
少し先の浜辺で茅野が見守ってた。泳げない点を踏まえて確認は棄権したらしい
「もうちょっとで殺せんせー来ちゃうし、急ご!」
「おう!」
「なんだよ先生、その模様は」
「日焼けしました。グライダーの先端部分だけ影になって」
「だからってそんな変な焼け方する……?」
暫くして僕等の班に来た殺せんせーは何とも言い難い…うん、素直に言うなら絵に描かれたような日焼けをしていた
「さて、君達4班はイルカを見るそうですねぇ」
「うん、船だけど大丈夫?」
かと思いきや、先生は船には乗らず、イルカに乗っている。勿論専用の水着を着用しているから水の効果は全くない。開いた口が塞がらない僕達
「いいな~私もイルカ乗ってみたい」
そうぼやいたのは茅野だった
「できるかどうかは分からないけど、子供の頃からの夢だよね」
「私も…絵本を見ていた時に憧れてた記憶が…」
ニコニコして賛同する神崎さんと、子供時代を恥ずかしがりながら呟く奥田さん。杉野の目が一瞬ぎらついたような気がしたけど放っておこう
「遊夢ちゃんも…イルカ好きかなぁ?…」
独り言をカルマ君に聞かれたらしく返事が返ってきた
「こんな時までひつじちゃんのこと考えてんの?」
「うぇっ!?か、カルマ君…!」
ニヤニヤしているのがちょっと腹立つ
「いつだったかな~?ひつじちゃんと世間話してた時にレジャーに行くなら水族館しか行きたくないって言ってたんだよね」
「そうなの?」
「うん、熱いとこは嫌だってさ」
「ははは…遊夢ちゃんらしい…(汗」
「あとは…単純に暗いし静かで落ち着くんだと」
「…!………そっか…」
そんな一面が…夏休み中に一緒に行こうかな…遊夢ちゃん魚好きかな…?
「ねえ、渚君ってさー…
ひつじちゃんと付き合ってんの?」
「…………え」
「この間の件だって起きた時に泣き喚いたって聞いたし…」
「べ、別に今はそんな関係じゃ…///ってかどこから聞いたのその情――」
次の言葉は…言えなかった。カルマ君の顔を見た時、割と真剣な顔をしていたから。