第26章 真夏の大合戦の時間
「つまり、敵に何かを忍ばせるだけの身体的アドバンテージがあるということだ。ガンナーの次の候補の参考程度に考えてくれればいい」
『はい…ありがとうございます』
「それと、銃を撃つ時の技を伝授しよう。これはかつてWestanで余興として楽しまれていたものだが、単純に殺しにも使える。アメリカ出身の弟子には必ずこれを教えている
これで必ず殺せるという訳ではないが、隙にはまれば命中率は格段に上がる」
『そんなものが…
よろしくお願いします』
「これにて訓練終了!」
烏丸先生の合図でみんなは解散した。
『それにしても…あの技…寧ろなんで私が思い浮かばなかったんでしょう…』
「なーにブツブツ言ってんの?」
『わ、中村さん。ロヴロさんから教えてもらった技について…』
「へー、そっちは何教えてもらったの?」
『それは………やめときます。能ある鷹は爪を隠すと言いますし…』
「なによ~ケチ」
危ない…言う所だった。
―――
「この技は同じ人物に何度も使えるものじゃない。敵が動体視力に慣れてしまえば通用しなくなる。できるだけ知られないようにすることを薦める」
―――
ロヴロさんから教えてもらった技、申し訳ないけどクラスにもできるだけ秘密にしておこう。練習すればすぐに身に付く
そう心に決めた時、少しぼーっとした渚さんを見つけた
『渚さん、大丈夫ですか?様子が変ですよ?』
「あ…遊夢ちゃん」
『熱中症ですか?木陰で休んだ方が…』
「あ、ううん、違うんだ…
さっき…ロヴロさんに必殺技を教えて貰って」
『必殺…』
「いつか使う時がくるってさ…
出来ればそんな日、来ないといいんだけどね」
渚さんも…
苦笑いをする彼に必殺技が何なのかは聞くのを止めようと決めた
『沖縄…早く行きたいですね』
「うん」
ザザザ…
船に揺られ、塀から顔を出すと潮風が気持ちいい
「にゅやァ…船はヤバい…船はマジでヤバい、先生頭の中身が全部まとめて飛び出そうです」
乗り物酔いが激しい先生は案の定青くなってる…(汗
「! 起きて起きて殺せんせー!! 見えてきたよ!!」
「東京から6時間!!」
「殺せんせーを殺す場所だぜ!!」
「島だーっ!!」