第25章 静かなる戦いの時間
教室いっぱいに舞う、二重丸!!
これが…今学期の先生の評価!!
脳裏に沢山の事が蘇る。最初、そっけない態度を取ったこと、先生に強制特別講習に何度も連れて行ってもらったこと、みんなが本気で暗殺を始めたこと、
そして………みんなに救ってもらったこと…!
「一学期で培った基礎を存分に活かし、夏休みも沢山遊び沢山学び、そして沢山殺しましょう!!
暗殺教室、基礎の一学期、これにて終業!!」
蝉がけたたましく鳴く夏、私達のドタバタな一学期は終わった
『ふんふん~』
次のリリース予定の楽曲を口ずさみながら街を歩く私。
沖縄の事は「夏季課外」っていう名目が付いてるし、お金も必要ないから父も渋々認めてくれた。心を弾ませながらも準備を着々と進めていくと、意外にも自分が持っている服にバリエーションがないことに気が付き、服を探しに街を散策中
すると、見覚えのある緑色を見つけた
『茅野さん…?』
「え?あっ、早稲田さんじゃん!」
彼女は私に気付くと笑顔で駆け寄って来た。右手には商品が。
『すみません、品選び中でしたか』
「ううん全然!もしかして早稲田さん服選び?」
『はい、意外と私服がちょっとダサくて…』
「へーMineなのに意外。というか凄い偶然だね!一緒に回ろうよ!」
『いいですよ』
こうして二人でお店を回ることになった私
「早稲田さんは夏休みに仕事とかないのー?」
『え、ああ、歌い手としてですか。
そこまで多くはないですよ、ライブも先日ひと段落しましたし。まだ学生だってことが強いんでしょうね。
バラエティー番組のゲストとしてちょっと呼ばれたり、ラジオに出演したり、後は…もしかしたらドッキリ番組とか来るかもしれません』
「へえ……なんか、歌い手ってより体張ったアイドルって感じだね」
『………』
「あ、ごめん。変なこと言っちゃったかな…」
『いえ、なんか以前にもそんなコメントがあったなーと思い出してまして。
まあ、確かにそうかもしれませんね。けど、私はそれでお金貰っていますから文句は言えませんし…』
「それはそうか…」
『けど、私はやりたいことがはっきりしているのでブレたりはしない様にしてます。後は第三者がどう捉えるかはお任せします。ひとまず私は歌い手としてここに立っているんですから』