第25章 静かなる戦いの時間
「君の英語への熱心さは本当に心打たれました!あの時に音楽と向き合えてよかった。これからも期待できそうですね」
『……(プルプル』
「おい!あの寡黙な早稲田さんが泣きそうになってるぞ!」
「まだ、一教科目だから!ね?」
「その通り、1教科トップを取ったところで潰せる触手はたった1本」
先生は『破壊予約済』と書かれている小さいフラッグを自分の触手に刺した
「それに、A組との5教科対決もありますから。喜ぶ事ができるかは、全教科返した後ですよ。
続いて国語…E組1位は…神崎有希子!!」
再び教室が歓喜に満ちる
「…がしかし、学年1位はA組浅野学秀!! 神崎さんも大躍進です、充分ですよ」
「…やっぱ点取るなァ、浅野は」
「強すぎ。英語だって中村と1点差の2位だぜ」
「さすが全国1位。中間よりはるかに難易度高かったのに…全教科変わらずスキが無い。
『五英傑』なんて並べて呼んでるけどよ、結局は浅野1人。あいつを倒せなきゃ学年トップは取れねーんだ」
「…では続けて返します
社会!! E組1位は磯貝悠馬97点!! そして学年では…」
暫くの間、その空気が一気に張り詰める
「おめでとう!! 浅野君を抑えて学年1位!!」
「よっし!!」
「マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りました!」
先生も皆の喜びみ釣られて笑う
「これで2勝1敗!!」
「次は理科…奥田か!!」
普段から毒の調合や薬に興味関心があり、自習するほどの理科のぞっこん者
これは…信頼できる!
「理科のE組1位は奥田愛美!! そして…理科の学年1位は!!
素晴らしい!! 学年1位も奥田愛美!!」
結果は待たずして来た。またも歓声が上がる
「3勝1敗!! 数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越し決定!!」
先生がクラッカーを鳴らし勝利を喜ぶ
「やったッ!!」
「仕事したな奥田!! 触手1本おまえのモンだ!!」
「…てことは、賭けの賞品の『あれ』もイタダキだな」
「楽しみ〜」
『ちょっと先生、まだ私の勝負は終わってないんですけど。勝手に終わらせないで下さい』
何だかそのままお開きになりそうな気がしたので一応釘刺しといた
「ああ、申し訳ない…(汗」
いそいそと数学の返却を始める