第25章 静かなる戦いの時間
捕まって声も出ない4人に、私はそのままの態勢で話しかけた
『安心して下さい。別に私達、貴方たちを殺したい程憎んでいませんから。
心臓なんて捧げられてもいらないです』
そして、
『あと………
図書室ではお静かに♡
皆さんも口じゃなくて手を動かして下さい』
丁度近くにいた榊原さんの口に指をあてて微笑んだ
「それもそうだな」
「べんきょーしよ、べんきょー」
「じょっ…上等だよ受けるんだなこの勝負!! 死ぬよりキツい命令を与えてやるぜ!!」
最終的には無視し始めたみんなに4人は逃げるように出て行った
『だからうるさいですって…』
「にしても早稲田さん、あんたも意外と肉食系なのね」
「私でも惚れるよあれ」
『?私はイリーナ先生の真似をしてみただけですけど。穏便に片付けられるし便利ですよね~』
「「「「(健全な早稲田さんがどんどん暗殺脳になってゆく…!)」」」」
翌日の五時間は勉強会
相変わらず先生は張り切っている
「おお、解けるようになってきましたね!」
『ええ、皆さんにも力を貸してもらっているので』
私はこの1,2週間自分を追い込んだ。やりたいことをやるために、自分の居場所を守るために。家での自習の時間もしっかり確保。その方があの父親からも目を付けられないし。配信も暫くお休み。分かってくれる人は分かってくれるし、そうでない人は…まあ勝手にツイートしていればいい。
と、携帯を横目で見た
「こらカルマ君、真面目に勉強やりなさい!! 君なら充分総合トップが狙えるでしょう!!」
「言われなくてもちゃんと取れるよ。あんたの教え方が良いせいでね。
けどさぁ殺せんせー。あんた最近『トップを取れ』って言ってばかり。フツーの先生みたいに安っぽくてつまらないね」
「…」
それにしても彼は本当にどうしたのだろう。前回に比べれば少々ダル気味だ…何か嫌なことでもあったのか
「それよりどーすんの? そのA組が出した条件って…なーんか裏でたくらんでる気がするよ」
赤羽さんは話を逸らし皆を見回してそう言った。