第25章 静かなる戦いの時間
「チャンスの大きさがわかりましたね。総合と5教科全てでそれぞれ誰かがトップを取れば、6本もの触手を破壊できます。
これが、暗殺教室のテストです。
賞金百億円に近付けるかどうかは…皆さんの成績次第なのです」
本当に…この人はみんなをやる気にさせるのが上手い
「珍しく気合入ってんじゃん奥田さん」
「はい! 理科だけなら私の大の得意ですから! やっと皆の役に立てるかも!」
校舎に戻ればみんなのやる気に満ちた顔が。
「そうだね。1教科限定なら上位ランカーは結構いるから…皆もかなり本気でトップを狙ってるね」
そう話すのは茅野さん
「あと心配なのは…理事長の妨害かな」
二カ月前、私達の努力は撃ち落とされた。小賢しい手を使ったなと今でもそれを忘れることはない
『心配ですし、一応目は通しておきましょう』
「そうだね」
「皆、放課後は教室で勉強会みたいよ、行きましょうか」
「よーし、頑張るぞー!」
「はい、行きましょう!」
「俺はエンリョしとこっかなー」
「僕は行くよ、杉野も行くみたいだし」
みんなそれぞれ動きだす。私も黙ってついて行こうとしたその時…
先生が陰で私を見つめ、ちょいちょいと手招きする姿を見つけた。何かあったのだろうか。
後をついていくと、着いたのは職員室。古いドアを開けると、そこにはお客がいた
「やあ、君が早稲田さんかな?」
『ッ……!?理事長!』
どうしてこの人がここに…
隣を見ると先生が困ったように汗をかいていた
「テスト前なのにお時間を取って申し訳ない。少し話がしたくてね」
『何です…?』
「ついこの間、知り合いから聞いたよ。君があの有名なMineさんであるようだね」
『ッ…』
私はできるだけ顔に出ないように堪えた
「恥ずかしながら、私も公演の様子を拝見させてもらったよ。とても素晴らしかった」
この話を私にしたってことは…
私を退学にさせるつもり…?
手には汗、心臓の鼓動は速さを増し、針のようなものに刺される雰囲気に私は耐えられなくなってくる