第24章 襲来の時間
「そーいや寺坂君。さっき私の事さんざん言ってたね。ヘヴィだとかふとましいとか」
「い、いやあれは、状態を客観的に分析してだな」
「言い訳無用!! 動けるデブの恐ろしさ見せてあげるわ」
シリアスだった雰囲気が一気に和んだ
「あーあ、本当無神経だよな寺坂は。そんなんだから人の手の平で転がされんだよ」
「うるせーカルマ!! テメーも1人高い所から見てんじゃねー!!」
憐れなことにシャツを捕まれた赤羽さんはそのまま水の中へ
「ぶ」
制服はびしょびしょ
「はぁァ!? 何すんだよ上司に向かって」
「誰が上司だ!! 触手を生身で受けさせるイカれた上司がどこにいる!!大体テメーはサボリ魔のくせにオイシイ場面は持って行きやがって!!」
『それな』とみんな頷く
「あー、それ私も思ってた」
「この機会に泥水もたっぷり飲ませようか」
途端にこの場は騒がしくなった。みんなのいつもの笑顔、私はこれに囲まれたくて、守りたくてここにいるんだ。今は取りあえずそう思うことにした
それにしても…あの時のなあ…
無言で私を止めてくれた時。それもそうだが赤羽さんは私といる時に、時々、少しかっこいい顔をする。
いや、タイプとかそういう話じゃなくて…なんというか…客観的に見てかっこいいっていうか…感情なのに客観的にってなんだそりゃ。うーん上手く言葉にできない
『何言ってんだろ私…』
イタズラに専念してなければさぞモテたでしょうに、と今水をかけられまくってる赤羽さんを見る。
『(今言ったら絶対からかわれるから言ってやんない)』
私には珍しくいたずらっ子のように笑った。
『(そういえば…
渚さんがギャン泣きした日、二人きりだった筈なのに、なんで知ってるんだろ)』