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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第24章 襲来の時間


「思いついた! 原さんは助けずに放っとこう!!」

赤羽さんが明るい声で言うが、逆に周りはしらける。

『(何言ってんだこいつ…)』

「おいカルマふざけてんのか?原が一番危ねーだろうが!! ふとましいから身動き取れねーし、ヘヴィだから枝も折れそうだ!!」

「…寺坂さぁ、昨日と同じシャツ着てんだろ。同じとこにシミあるし」


急にその話…?本当に一体なにを考えてるんだろう…

「ズボラだよなー、やっぱお前悪だくみとか向いてないわ」
「あァ!?」

こんな状況でも一触即発状態な二人に磯貝さんがおろおろしだす。だが、二人はそんな彼も目にくれず…


「でもな、頭はバカでも体力と実行力持ってるからお前を軸に作戦立てるの面白いんだ」




そう言って寺坂さんのシャツのボタンを引きちぎり、いたずらっ子のように笑った。


「俺を信じて動いてよ、悪いようにはならないから」

「……バカは余計だ。いいから早く指示よこせ」























「さぁて、足元の触手も水を吸って動かなくなってきたね」


先生の身体はできもの以上の腫れあがりを見せていて、何だか痛々しい

『(先生…こんなやつに殺されないで下さい)』

「とどめにかかろうイトナ。邪魔な触手を全て落とし、その上で『心臓』を」

「おいシロ!! イトナ!!」






寺坂さんはマジギレの状態。演技だったとしても本心だったとしても、不良ごっこで鍛え上げた雰囲気は一丁前に出来上がっている

「…寺坂君か。近くに来たら危ないよ?」

「よくも俺を騙してくれたな」

「まぁそう怒るなよ。ちょっとクラスメイトを巻き込んじゃっただけじゃないか。E組で浮いてた君にとっちゃ丁度いいだろ」

「うるせぇ!! てめーらは許さねぇ!!」




そうだよ寺坂さん。彼を絶対許しちゃだめ



岩場から飛び降り、二人の目の前に立つ彼。そして、


「イトナ!! テメェ、俺とタイマン張れや!!」


堂々とシャツを脱ぎ、それっぽい感じに持っていく。堀部さんは若干呆れたような顔を見せた

「止めなさい寺坂君!! 君が勝てる相手じゃない!!」

「すっこんでろふくれタコ!!」


「…布切れ一枚でイトナの触手を防ごうとは健気だねぇ。黙らせろ、イトナ。殺せんせーに気をつけながらね」

堀部さんも機械のように命令通りに動いた
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