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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第24章 襲来の時間


「触手の数を減らしその分パワーとスピードを集中させた。単純な子供でも操りやすい。片や君は全身濡れてますます動きが鈍ってきた。『心臓』を破壊するのも時間の問題だ」



相変わらずの淡々とした説明の仕方、あの頃から変わっていない。



一度奴の牙を食らったから分かる。きっと堀部さんも…




そんな私の心配も露知らず、堀部さんは先生の攻撃手を止めない







「まじかよ…あの爆破はあの2人が仕組んでたとは」

「でも押されすぎな気がする。あの程度の水のハンデはなんとかなるんじゃ?」

「水だけのせいじゃねー」

「寺坂…!」

『(戻って来たんだ…)』

「力を発揮できねーのはおまえらを助けたからよ。見ろ、タコの頭上」




見ると、助けたはいいものの、その後の触手の攻撃には守れる可能性が薄い場所に何人かがしがみついている。岩の隙間に村松さん、木に吉田さん、そして枝に原さん。


「助け上げた場所が触手の射程範囲内に!!」

「特に…ぽっちゃりが売りの原さんが今にも落ちそうだ!!」

「あいつらの安全に気を配るからなお一層集中できない。あのシロの奴ならそこまで計画してるだろうさ、恐ろしい奴だよ」


今でもそれを思うと奴が憎い。きっと寺坂さんにもそれ相応な接触をし、断れない状況まで持っていく。それがシロの戦法だ


『…許さない…(ギリッ』




「のん気に言ってんじゃねーよ寺坂!! 原たちあれマジで危険だぞ!! おまえひょっとして…今回の事全部奴等に操られてたのかよ!?」

前原さんの言葉に寺坂さんは鼻で笑った。


「あーそうだよ。目標もビジョンも無ぇ短絡的な奴は…頭の良い奴に操られる運命なんだよ。








だがよ、操られる相手ぐらいは選びてぇ。
奴等はこりごりだ。賞金持って行かれんのもやっぱり気に入らねぇ」



うん、うん…


「だからカルマ! テメーが俺を操ってみろや!

その狡猾なオツムで俺に作戦与えてみろ!! カンペキに実行してあそこにいるのを助けてやらァ!!」

ドンと赤羽さんの胸を叩く。その様子に一瞬目を見開く彼、だが…

「良いけど…実行できんの俺の作戦? 死ぬかもよ」

「やってやンよ。こちとら実績持ってる実行犯だぜ」


いつものペースに持っていく、それが彼のやり方だ。

ここから見ることしかできない私は心で応援する。
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