第24章 襲来の時間
「にゅやーッ!!?」
先生が大人げなく落ち込む
「頑張ったのに…このフォルム……」
「何てことすんだよ寺坂!!」
「謝ってやんなよ!! 大人な上に漢の中の漢の殺せんせー泣いてるよ!?」
「…てめーらブンブンうるせーな、虫みたいに」
そう言って机から取り出したのは…缶
地面に勢い良く投げると爆発し、教室に煙が充満した
『ゲホゲホ…何これ…』
「寺坂君!! ヤンチャするにも限度ってものが…」
「さわんじゃねーよモンスター
気持ちわりーんだよ、テメーも、モンスターに操られて仲良しこよしのテメーらも」
操られる…?違う…寧ろ利用しているに近い。ターゲットではあるけれど分かりやすい授業するし、テスト前には個別に対応してくれる。
ここまで生徒に配慮をしてくれる人は早々いない。でも、先生は標的。それを忘れた覚えはない
「何がそんなに嫌なのかねぇ…」
そうこう考えている内に赤羽さんが呟いた
「気に入らないなら殺しゃいいじゃん。せっかくそれが許可されてる教室なのに」
「何だカルマ、テメー俺にケンカ売ってんのか。上等だよ、だいたいテメーは最初から…」
ガッ
「ダメだってば寺坂。ケンカするなら口より先に手ェ出さなきゃ」
喧嘩沙汰になる前に赤羽さんが寺坂さんの口を掴む。煽るように口に人差し指を持っていく
「…ッ!! 放せ!! くだらねー!!」
むしゃくしゃした彼は荒々しく教室を出ていく
「…なんなんだ、アイツ」
「一緒に平和にやれないもんかな…」
翌日のお昼休み…
「ずっ…グスッ…」
「なによ、さっきから意味も無く涙流して」
「いいえ、鼻なので涙じゃなくて鼻水です。目はこっち」
「まぎらわしい!!」
イリーナ先生のキレのいいツッコミはともかく、先生はずっとこんな調子だ。鼻水ならそんなに出たら呼吸できなくない?
「どうも昨日から体の調子が少し変です。夏カゼですかねぇ…」
その時、寺坂さんが教室に入って来た
「おお寺坂君!! 今日は登校しないのかと心配でした!!」
と肩を掴みながら粘液を垂らす先生。何というか、うん、汚い