第24章 襲来の時間
とある日の朝…ちょっとの事件が起きた
「おい皆来てくれ!! プールが大変だぞ!!」
岡島さんの声がみんなを呼び、バタバタとプールへ向かう
プールは荒らされていた。木の板はバキバキに割られ、仕切りのブイは形を保たずにふよふよと浮いている
「…ッ、メチャメチャじゃねーか…」
「ビッチ先生がセクシー水着を披露する機会を逃した!!」
それはとりあえず置いておいて
「ゴミまで捨てて…ひどい…誰がこんな事…」
「あーあー…こりゃ大変だ」
「ま、いーんじゃね? プールとかめんどいし」
そうわざとらしく呟いたのは寺坂さんグループ。
分かりやす…
それに気づいたのか渚さんも彼らに目をやる
「ンだよ、渚。何見てんだよ。まさか…俺らが犯人とか疑ってんのか? くだらねーぞ、その考え」
相変わらずのキレだけは不良いっちょ前の寺坂さん。渚さんに胸倉をつかむ
『ちょ、やめて下さい!』
「まったくです、犯人探しなどくだらないからやらなくていい」
それを止めたのは先生だった。
マッハで荒れたプールを手入れする
「はい、これでもとどおり!! いつも通り遊んで下さい」
あーよかったと安堵するみんな。そのままプールで遊びだす。
「早稲田さん、ちょっと来てー!」
『あ、はい』
ふと黙ってこの場を去っていく寺坂さんを見つめる。今後面倒くさい何かやらかさないといいけど…
「うお、マジかよ殺せんせー!?」
「この前君が雑誌で見てた奴です。丁度プールの廃材があったんで作ってみました」
教室に戻ると吉田さんと先生が何やら盛り上がっていた。その様子を寺坂さんはつまらなそうに見つめる
「……何してんだよ、吉田」
「あ、寺坂。い、いやぁ…バイクの話で盛り上がっちまってよ、うちの学校こーいうの興味ある奴いねーから」
「ヌルフフフ、先生は大人な上に漢の中の漢、この手の趣味もひととおり齧ってます」
とサングラスにライダースーツを着てキメキメの先生。
「しかもこのバイク最高時速300km出るんですって、先生一度本物に乗ってみたいモンです」
「アホか、抱きかかえて飛んだ方が速えだろ」
教室に笑いが起こる。その穏やかの空気を壊したのは寺坂さんだった
バキっと先生のバイクを蹴飛ばし壊す