第22章 後日談の時間
『あの!』
みんなが未だに文化祭モードに浸っている時、私は柄にもない大声を出した
私は胸に手を置き、深呼吸してから話し出す
『私は皆さんに私のことを何も言ってきませんでした。私は…それを不信の証明だと思って…勝手にこのクラスにはいられないと距離を置いた。
まずはそれを誤らせて下さい。
本当にごめんなさい。そして、ご迷惑をおかけしました』
「そんな頭下げなくても…」
「私達も随分やんちゃしたよね。確信なんてなかったのに」
『それと…
全てはお話できませんが、私の一部は、今お話しすることができます』
「え?いいの?」
『はい。と言うかそろそろ言わないとまずいって言うか…』
「?」
『何人か、本校舎の人が読んでいる私のあだ名を知っていますね』
「?たしかスキンヘッド早稲田…だっけ」
『はい。
これは私が二年生の時の話になるんですけど…
私のクラス内の仲は少々問題がありまして…
派閥争いとかが良く起きていたんです。
勿論私も喧嘩は嫌でしたから、仲介に入ることも少なくありませんでした。
でも…そうしたら逆に目をつけられてしまって…
戒めとして丸刈りにされたんです』
「ッ…!?」
『その様子を見兼ねた理事長が”余りにも非人道的過ぎる”としてそのクラスに、「今後何か問題を起こしたら問答無用で全員退学」と言う罰を課したんです。まだE組ではなかったので人権はありました
そのおかげでクラスの混沌は収まったんですが…
でも…私の髪は当然戻らないまま。医療用の育毛剤で治療してもなかなか元には戻らないし、その間もずっと私はクラスの的でした。
一日中嘲笑う目で見られる空間って地獄でしかありませんでしたよ』
―――
「早稲田さーん、まだ髪戻んない感じー?うちのパパが使ってる育毛剤、効果いいから貸してあげようかー?」
「きゃははは!!やだー、キモイじゃん!!」
―――
『挙句の果てには先生までもがバカにしだして…』
―――
「じゃあ、この問題を…スキンヘッド早稲田」
「「「「「あはははははは!!」」」」」
―――
『多分、そこからだと思います。人が信用できなくなったのは』