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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第21章 ただいまの時間




久しぶりに開けた瞼
何処だ…ここは…


学校でも教室でもない見慣れない天井。ふと窓辺に視線を上げると点滴のパックが。そうか…私は病院にいるのか…

重い身体をゆっくりと起こす。こりゃあ大分寝てたな…上手く動かせない




















ドサッ…



『だ、誰っ!?』

ベッドを仕切るカーテンの裏で何か物音がした。まさか、不審者!?起きたばかりなのに冗談じゃない!



『だあッ!』
意を決してカーテンを開ける






















『あ…』



目の前にはカバンを落として佇んでいる彼が


『渚さん…?』
















「あ、………ああ……ああ




























あああぁぁぁぁあああぁ!」




顔をゆがませながらこちらに近づいたかと思えば私を抱き上げながら声を上げて泣いた



私は不思議でしかなかったけど、それ程のなにかを私はしてしまったのだろう



『ごめんね……ごめんなさい』


背中に回した手をさすってあげれば、しゃくり上げながら話す



「ほんとバカぁッ……急に、いなくなったと思えば……酷いこと言うし…やっとちゃんと話せると思えば、なんかよく分からないこと、言い出すし、…挙句の果てには…僕の名前知らないとか言ってさあ!…

どれだけ心配したか分かってるの!?


今までだってほとんど寝たきりで昏睡状態だったのに!!」

『あはは…面目ない…(汗』



そうだった、私はシロに騙されて何か変なものを打たれた気がする。それで……私は欲望の渦の中、みんなに酷いことを言ったんだろう。








『渚さん…私は……取り返しのつかないことをしました…それにシロに”死にたい”と頭を下げたのも事実です。


私に…元の居場所に戻る資格はないと思います』






「まだそんなこと言うの!?」
『い、いひゃいいひゃい…』


自分の胸の内を打ち明けたらほっぺを引っ張られた


「第一、戻らなかったとして、君はその後どうするの!?また”死にたい”に逆戻りだよ!」

『…!』

「居場所にいるのに資格なんていらない!それを誰が認めるの?誰が妨げるの?」

『渚さん…』

「あそこには僕がいる、みんながいる






だから…帰ろう?遊夢ちゃん」
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