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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第21章 ただいまの時間


「しかし彼女は今、自分が何なのか分からなくなっている。恐らくこの短期間で早稲田さんとMineさんを行き来し過ぎて現実の自分と理想の自分の境目が見えなくなっているのでしょう。

それを分からせるためには弁論よりも事実を映し出す鏡に方が都合がいいと考えただけですよ」

「…」
確かに、彼女の話ぶりからして、Mineとしている時間を理想としているようだった。

嫌なことがあればすぐに姿を変えてそれを快楽に変えていく。

「まるで…薬みたいだ…」

「そう、今回の彼女のはっきりした病名はネット中毒。辛いことの全てをネットとと言う見えない物に頼りきってしまった。

治療法はその他の楽しい物に目を向けさせる。それが私達のやるべきことです」










キーンコーンカーンコーン

「はーやっと放課後だ」
「あれ?渚はー?」
「なんかすぐに帰って行ったよ?」











「遊夢ちゃん…
今日はね、射撃訓練したんだ。重心を合わせるのが難しかったよ。烏丸先生がね、遊夢ちゃんの事を褒めてたんだ。命中率が上がっててクラスのトップにもなり得るだろうってさ。
起きたら僕もみてみたいな…」



あれから遊夢ちゃんは十日間目覚めていない。今もなお、充電しているように眠っていて、うんともすんとも動かない



毎日のように病室に足を運ぶ僕は傍から見ればおかしくなってしまったのかもしれない。いや、元々遊夢ちゃんがおかしくなってしまった時点で調子が狂ってしまったのは自分でも自覚がある。

あの時の突き落とされた絶望は…今でも思い出すとぞっとする。






彼女の中で僕と言う存在がリセットされた時、どれ程の苦しみを生むのか、僕はあの時知ってしまった


「……ねえ、起きなくてもいいよ。寝言でも構わないから…
もう一度僕の名前を呼んでよ…」


――――
you side




別の人になりたかった。苦しかったから、生きる意味なんて見いだせなかったから。




私と真逆の人になれば…もっと楽に生きられるのかなって…私の存在意義が見つかるかなって







「存在意義などそんなものは元々ありません。それを見つけるために貴方は生まれてきたのですから」



























『せん…せい…』
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