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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第21章 ただいまの時間


その後、シロはどうやら攻防の隙にどこかへ去ってしまっていた。先生はちょっとド怒り寸前だったけど、今は遊夢ちゃんとケガをした仲間の安否が大事だったので追いはしなかった。








遊夢ちゃんは今、病院に預けられている。





「ここか…


って茅野とカルマ君ならともかく、なんで殺せんせーもいるのさ!」

「だっでぇ…もしこのまま昏睡死したらって考えたら不安で不安で」

「もーこんなところで泣かないでよ殺せんせー、今から病院だし、変装が崩れちゃうよ。フォローするのこっちなんだから…」











「すみません、早稲田遊夢さんの部屋ってどこか分かりますか?」

「えっと、どちら様で…」

「クラスメイトです」
「教師です」

「わかりました。遊夢さんはまだ目を覚ましていらっしゃらないので本来であれば面会はできないのですが、親御さんまだいらっしゃらないので、しばらくであれば在室は可能です」

「ありがとうございます」

「203号室にいらっしゃいます。入院棟の二階に上がって右側です」















一息ついてノックをする。遊夢ちゃん以外は誰もいないみたいで返事はかえって来ない

「お邪魔します…」





必要なもの以外は置かれていない閑散とした部屋のベッドで遊夢ちゃんは眠っている





僕は傍に椅子を寄せて隣に座る




病院の患者服から見える痛々しい首元と、手首の痕。一人、あの事件の後のことを思い出した。丁度、烏丸先生がここまで来てくれた時の事



―――

「大丈夫か皆!!」

「烏丸先生!」

「はい、殺せんせーが何とかしてくれたので」

「全く…お前は国家秘密のターゲットと言う自覚はないのか!?何だそのさらけ出した姿は!!」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ!!これでも行くときは変装してたんですけど!?乱戦で脱げちゃっただけです!!」

「はあ…取りあえず奴の事は置いておいて、


早稲田さんは?病院へ運ぶ前に一応容態を確認したい」

「あ、ここに…」

「ありがとう渚君」


脈があるかどうか、傷の状態はどのくらいか、烏丸先生が調べようと襟を下げた時だった










「な……なんだこれは…」
首に、紫いろの線のような痣ができていた
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