第20章 おかえりの時間
強烈な一撃を耐えた先生がみんなに向かって叫ぶ
「皆さん、離れて下さい!!!このままでは巻き添えになります!早稲田さんは先生が助けます!あとは、余裕のある人は烏丸先生に連絡を!!」
「え?」
「早稲田さんが被害に遭ったんです!警察ではあてになりません!!」
僕らに出来ることはここでは見いだせず、出入り口に一斉に駆け出す
『はははっ!殺せんせーなら分かってくれると思ったんだけどなぁ!ここを切り抜けて私は自由になる。
これは全部その為の犠牲だよ』
「早稲田さん!貴方のその考え方は間違っている!!自己犠牲で手に入れた自由なんて、本当の解放ではない!!」
『うるさいなぁ、だったらこの状況で助けて見れば?』
ズドンッ
「ぐふっ…」
「殺せんせー!!」
『私は触手を切るのがちょっと苦手なんだよね…
だから私は徹底的にせんせーを投げ飛ばす。だから逃げないでね?殺せんせー
ショーはこれからなんだから☆』
「助けるって一体どういうつもりなんだ…」
「あんな狂気的な状態から…」
「ははは、実に滑稽だねぇ」
遠くでその乱戦を見ていたシロが高らかに笑い出した
「どういう意味だよ!?」
「これは余興だよ。かつてのヨーロッパで行われていた剣闘と同じさ。奴隷が自分の生存をかけて殺しあう。観客はその惨殺に賭け事をして楽しむ」
「結局何が言いたいんかな?シロさん」
「彼女は殺せんせーを殺せない。そして戦いに敗れて死ぬか、共倒れと言うところだろう」
「…?」
「彼女にはイトナとは少し違う触手を打った。勿論同等の威力は出ない。元々期待していないんだよ、彼女には」
「なっ、じゃあなんのために早稲田さんに…」
「研究のサンプルだよ。彼女はただのモルモットでしかない。本当に憐れだ。”死にたい”と言った彼女があんな末路をたどるとはね。ああ、活動限界が近づいてくると、自身が爆弾となって自爆する。彼女の血肉が飛び散るだろうね」
「何だって!?」