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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第19章 モザイクの時間


「恐らく何らかの殺し屋が早稲田さんを人質に取り、直筆の手紙で先生をおびき寄せ、殺す。そんな謀略だと先生は考えてます。早稲田さんでも殺し屋を雇うことはできませんから」

「……律、殺し屋を雇う時ってどのくらい金かかるんだ?」

「はい、安い物で数百万円から、名高い殺し屋に依頼するとなると億を超えるとも聞きます」
「マジかよ!!」
「俺だったらそんなのに使わないで起業するわ(汗」

「まあ、そういう訳で早稲田さんは今拉致状態。気を抜けるような場面ではありません」

そう殺せんせーが言うと空気がピンと張り詰めた。
僕らが…乗り込むんだ…!





「皆さん!この建物の内部構造情報を入手しました!皆さんのスマホに送信します!」
「サンキュー律!」
「場所は確か…地下室だったよな…」
「正確には旧ホテルのパーティー会場だけどね」

律が送ってくれた地図を手掛かりに僕らはB1と書かれた階段を下りていく。最下階には映画館にあるような少しおしゃれな大きな扉があった。


「この先に遊夢ちゃんが…」


扉の前で先生が止まる



「皆さん…侵入する前に忠告です。もし少しでも自分の身が危険だと感じたらすぐに逃げて下さい。もし、君たちに手出しをされてもこの地下空間では全員を助けられる自信はありません」

「でも…そしたら先生が…」

心配そうにする倉橋さんに先生はにっこり笑った

「大丈夫です。人間相手なら遅れは取りませんよ」






僕等はお互いの顔を見てうなづき、銃を構える。中身は勿論BB弾だけど、威嚇するには十分だ

「それでは…開けます…!」

















バンッ    ……




一斉に銃口を前に向けるが中には誰もいない


部屋は本当にパーティー会場だったようで、テーブルクロスがかかった丸いテーブルが規則正しく幾つもおかれている。
みんなが警戒しながら辺りを見渡すと…



『あ、やっと来てくれた!わあ!こんなに連れてきてくれたの~』


明るい声が僕等を呼び止めた。声の主を見ると


いた。クリーム色の髪をなびかせてシックでおしゃれな衣装を着た遊夢ちゃんはステージの上に立っていた




「遊夢ちゃん…?」

『やだなぁ、私だよ?私はMine、みんなの歌姫!』






「え?」
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