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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第19章 モザイクの時間


―――
遊夢は本当に音楽が好きねぇ

きっとミュージシャンになれるよ

なる!遊夢みゅーじさんになる!




どうしたの?浮かない顔してピアノに項垂れて

最近ずっとならいごと…パパもママもとにかく黙ってやりなさいって

あらあら、なら少し息抜きする?

んー?




わあ!これ何!?

アイドルっていうの。おばあちゃんはそういうのよくわからないけど、遊夢が好きそうだと思ってね

……




遊夢もっとうたう!もっとみんなを笑顔にする!!

ははは、その時になったらおじいちゃんとおばあちゃんも呼んでくれるかい?

うい!!

そうだわ、遊夢にこれをあげるわ



ギターだよ。片付けをしてたら出てきてねぇ。多分若しりのおじいちゃんのよ。全くキザな趣味してたもんだね

おじいちゃんダサい!

おいおい(汗

どうせもう使わないでしょ?あげたっていいじゃないですか

それもそうだな。遊夢、これでいつか曲を聞かせておくれよ

ん!!



ポン、ポロン…


――――






















バキッ!
















ネックを持たれ、振り落とされたギターはあっけなく折れた。








私の…夢が…私の象徴が…





ギターに駆け寄ろうとするとまた父に蹴られた。








「まだわかっていないようだな?




全てはお前が悪いんだ。


俺が会社をリストラされたのも、


お前の母親が死んだのも、





全部お前が出来損ないだからだ。お前のせいで家族は壊れた。一生を台無しにされた。







この罪は一生かかってでも償ってもらうからなぁ?」、






















一人残された部屋で呆然とする。






なんで?


「お前が悪いんだ」




なんで私だけ…


「お前が壊した」



なんで私だけ、こんな目に遭うの?


「使えない奴だな」




























「遊夢ちゃんの努力を、苦しみをバカにする奴は僕が許さない」





『…!』

















『ふ、………ふぅ…うぐッ…』(ポロポロ







渚さん…私…もう楽になりたいよ…
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