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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第19章 モザイクの時間




『…!』

声で分かる。彼の威圧する重々しい声…




「な、何よ!E組のくせして!」
「私達に構ってる暇あるんなら勉強でもすれば!?どうせ頭悪いんだから!」

弁論は立つけど逃げ足はそうもいかなかったらしい。二人はバタバタと逃げて行った


「はあ、一々何なんだろうね!?あいつら!」

「ふう…

遊夢ちゃん大丈…
いない…」





















無我夢中で走って家に帰ると、倒れ込むようにベッドに倒れ込んだ。













































そして泣いた。























『ははは…あれ、絶対嫌われたよ…



好きだから…一緒にいたいから…皆にそういう目で、他の人みたいな目で、見られたくなかったのに…




ホントバカ…なんでこんなきつい言葉しか出てこないの

どうしようもないクズ…』
そして意識は遠い暗闇に投げ出された



















それが呼び戻されたのは夜中。

「おいッ!!寝てんじゃねえ!!」


『ガハッ…』
荒々しく部屋に入って来た父に腹を蹴られ、目を覚ました。どうやら寝てしまっていたらしい。体はベッドから追い出され、宙を舞い、床に叩き落された


見上げると、興奮状態の父が私を睨みつけている。何となくいつだかの鷹岡の顔に似ていた気がした。息が酒臭い。相当飲んだなこいつ…


「…んで寝てんだよ。お前にはそんな時間なんて与える権利もないんだよ!!!」

『か……かは…』


首根っこを捕まれ、後は蹴られたり殴られたり。そんな時、走馬灯のように思い出す。かつての記憶。

習い事や勉強の自習は夜遅くまでやらされた。機嫌が悪いときがあれば寝ていてもおかまいなしにたたき起こされて椅子に座らされる。

はは、なんで今更…

「そうか、こんな物が置いてあるからいけないんだな?」

そう言って目を付けたのは母の祖父母からもらったギター。おさがりだが今も手入れをしていて綺麗なままだ。それだけ、それを愛している証拠

「誘惑するモンは視界から消さなきゃなぁ!」

『や、やだっ…やめて…

それはおばあちゃんと…』


私の…思い出が…!
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