第18章 怒りの銃口と刃の時間
「いや…烏間先生に言われた通りやっただけで。鷹岡先生強いから…本気で振らなきゃ驚かす事すらできないかなって
いたっ…何で叩くの前原君!?」
「あ、悪い…ちょっと信じられなくてさ。でもサンキュな渚!! 今の暗殺スカッとしたわ!!」
「笑顔でナイフ突きつけて『捕まえた』とか…渚クンは見かけによらず肉食獣だねぇ」
「違っ…上手くいって安心しただけだって!!」
『よかった…よかったです。私のせいでことが悪化した気がしてたので…』
そう後ろで言ったのは、カルマ君と一緒にいた遊夢ちゃん
「だね、いいもん見せてもらったよ」
『渚さん…かっこよかったです』
ドキン…
真っ直ぐで安心するような優しい瞳…まるで人形みたいな綺麗な顔…かつて彼女が見せてくれた顔が…脳裏に蘇った
「そういやなんでカルマここにいんだよ?サボってた筈だろ」
「いやー何か面白いことになってんな~って遠目で見てたから」
「ただの視察か。こいつめ。こっちがどんだけ大変だったか…」
「このガキ…父親も同然の俺に刃向かって、まぐれの勝ちがそんなに嬉しいか、もう1回だ!! 今度は絶対油断しねぇ。心も体も全部残らずへし折ってやる」
その時、鷹岡先生が起き上がった。血管はピクピクと浮き上がっていて、目も血走っている
僕ははっきり言った
「…確かに、次やったら絶対に僕が負けます。
…でもはっきりしたのは、鷹岡先生。
僕等の『担任』は殺せんせーで、僕等の『教官』は烏間先生です。これは絶対に譲れません。
父親を押しつける鷹岡先生より、プロに徹する烏間先生の方が僕はあったかく感じます。
本気で僕等を強くしようとしてくれたのは感謝してます。でもごめんなさい、出て行って下さい」
「じゃ私はあんたらのなんなのよ」
「僕等のビッチです」
「黙っ…て聞いてりゃ、ガキの分際で…大人になんて口を…」
さっきよりも怒りが膨大した表情で僕等を睨む。流石にもう勝てる気がしない。殴りかかって来たのを認識し、少し遅れて受けの体制をとったその時…
烏丸先生がの肘が鷹岡先生の顎にクリーンヒット。ゴッと鈍い音がして、頭から落ちた