第18章 怒りの銃口と刃の時間
「視線を切らすな!! 次にターゲットがどう動くか予測しろ!! 全員が予測すればそれだけ奴の逃げ道を塞ぐ事になる!!」
烏丸先生の凛とした声が校庭に響く。
堀部さんの件で”自分で殺したい”という意思が強くなったみんな。普段の訓練もよりハードなものになった。
今は二人がかりで烏丸先生にナイフを当てる訓練をしている。春の頃と違って、何人か当てられる人が増えてきた
「良!! 2人それぞれ加点1点!! 次ッ!!」
そう言われたのは前原さんと磯貝さん。ナイフの使い手トップ2ということで流石飲み込みと成長が早い。
そして赤羽さん。煽りも勿論一等級だけど、元々喧嘩常連だったから、武器の使い方の慣れも早い。
それでどうやって赤っ恥かかせようか考えなければ普通に成績伸びるのにね…
男子ではそんなとこ
女子は岡野さんと片岡さん。二人とも運動神経は抜群。岡野さんは反射神経がいいし、片岡さんは持久力がクラストップ。立派なアタッカーとして成長を遂げている
「そして殺せんせー、彼こそ正に俺の理想の教師像だ。
あんな人格者を殺すなんてとんでもない!!」
ん?
気づけば烏丸先生の背後には先生が。何か一人称でナレーションを入れてるみたいにぼそぼそと呟く
「人の思考を捏造するな、失せろターゲット」
ナイフを振り先生を追っ払う烏丸先生。それを呆れて見るみんな。どんだけ暇なんだ
赤羽さんが煽りの使い手なら先生はダルがらみの使い手だ…(汗
ちなみに私はまだみんなみたいに激しくナイフを振れないし、当てることなんて先の話だから、今は一人で射撃の練習をしている。勿論、放課後にマンツーマンでゆっくりだが振り方を教えてもらっている。
的の中心に当たる可能性が上がって来た。次は動きながらで当てる練習をしよう。中距離で当てられるようになればアタッカーの支援ができる筈…
そう考えた時…
「…いった…」
振り向くと、渚さんが頭をぶつけたらしく、手を押さえていた
「…!! すまん、ちょっと強く防ぎすぎた。立てるか?」
「あ、へ、へーきです」
「バッカでー、ちゃんと見てないからだ」
渚さん……
何度か攻防は見たことがある。小柄だから瞬発力に適しているんだけど…
何だか不思議な感じ。時々まるで相手が渚さんが見えてないような反応をする。
彼は一体…